マカロニアンモナイト
webマガジン「マカロニアンモナイト」月刊特集
『本気のリバーサル特集』-後編-


文・写真/中山慶太

後編目次 6 7 8 9 10 11 2000年3月掲載


§究極の鑑賞法、スライド上映§

 プリントもいいけど、もっと積極的にリバーサルを楽しみたい、という向きには究極の鑑賞法がある。『スライドプロジェクター』を使用してスクリーンに上映してしまう方法だ。日本では教育の現場や学術関係の会合でおなじみだが、写真文化が早くから発達した欧米では、家庭にもプロジェクターが広く普及していた。以前はヨーロッパなどを旅していると、店頭で売られているカラーフィルムがリバーサル主体で戸惑ったものだ。

 ……と、過去形で語るのには訳があって、最近はあちらでも写真はネガプリントで楽しむのが一般的になっているからである。それだけ写真趣味が大衆化したということなのだろうが、家庭でのスライド上映会もあまり行われなくなったというのはちょっと残念なことだ。西洋家屋の広い居間は家族や友人を集めたパーティーに絶好で、そこで持ち寄ったリバーサル作品をプロジェクターで観るのはとても贅沢な趣味だと憧れていたのだが。

 そういえば近ごろは、リバーサルを昔のように『カラースライド』と呼ぶこともすくなくなった。スライド用のマウントも、作品をコマごとに納める枠の役目しか果たしていないようだ。筆者などはリバーサルを壁に投影するたびに、その光のパワーに圧倒されてしまう。近ごろ人気の8ミリムービーのように、リバーサルとプロジェクターの黄金コンビも復活しないものだろうか?

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プロジェクターは国産、輸入品あわせて多くの製品が販売されている。広い空間で使うなら光のパワー(光量)は大きいに越したことはないが、消費電力に比例して発熱量と空冷ファンの騒音も大きくなる。家庭で使うなら250W程度が適当だろうか。写真は筆者愛用のプロジェクター、Leitz Prado500。1960年代の製造で、縮み塗装が施されたボディは金属のカタマリ。砲台を思わせるドイツ表現主義的デザインに魅かれて購入した。



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Prado500プロジェクターの内部はこんな感じ。左から順に反射ミラー、500Wランプ、非球面コンデンサーレンズ、高熱からフィルムを守る防熱ガラス2枚が並ぶ。最近の製品はマガジン方式が主流になり、コマ送りとピントは電動でリモコン操作できるものが多いけど、手元で操作するならこのように一枚づつ差し替える方式で充分。マウントをキャリアに入れる手間は同じだし、手動のピント合わせにも不便は感じない。

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