『蜷川実花の世界』
         −前編−

2000年4月掲載


§Cinema/The Vierin Suicides§

映画『ヴァージン・スーサイズ』とニナミカ

text:Keita Nakayama

 米国の田舎町。どこにでもあるような風景と特別な運命をさずかったわけでもない人々のなかに、人を死に至らしめる狂気が生まれ、やがてそれが悲劇の連鎖をもたらす。映画『ヴァージン・スーサイズ』は、現代アメリカ文学の騎手、ジェフリー・ユージェニデスの原作を映像化した作品だ。演出はソフィア・コッポラ。巨匠フランシス・フォード・コッポラを父に持つ彼女の初監督作品になるこの映画には、女優(『ゴッドファーザー3』に出演)、写真家、そして服飾デザイナー(自身のブランド『MILK FED』を世界中で展開する)としての活動を通じて得たものがすべて詰まっているという。
 2月後半、作品のプロモーションのために来日したソフィアは、TV用特別番組のための対談の相手に蜷川実花を指名した。同世代で、ともに演出家を父に持つという共通点があるといえ、ふたりを取り巻く環境も、作品世界もまったく異なる。にもかかわらず両者の感覚にどこか近いものがあるとすれば、それはあの狂乱の80年代に多感な時期を過ごしたものたちが備える、痛みのようなものだろうか。リリカルな映像、体温の伝わるような視点、あえて雄弁に堕さない語り口。ふたりの作家の奥にひそむ本質に触れる意味からも、これは見逃せない出会いとなった。
 対談を終えた蜷川実花は、ソフィアに不思議な親近感を持ったという。「好きなものよりも、嫌いなもの、嫌だと感じることが似てるかもしれない。大切にしているもの、自然に感じていたい部分が近いっていうか。だから話はしやすかったし、短い時間だったけど楽しかった」

 

取材協力・スチール提供:
(株)東北新社/Special Thanks to TimeWarp Co.(Mr.Matsuoka & Ms.Tanaka)

 

 

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映画『ヴァージン・スーサイズ』
(C)東北新社
4月22日(土)よりロードショー公開

 

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映画『ヴァージン・スーサイズ』
(C)東北新社

公開劇場(4月22日より)
東京:シネマライズ渋谷/大阪:テアトル梅田/名古屋:ゴールド劇場/札幌:シアターキノ/福岡:シネテリエ天神/京都:みなみ会館/神戸:アサヒシネマ/仙台:仙台フォーラム/広島:サロンシネマ/岡山:シネマ・クレール/熊本:DENKIKAN/大分:シネマ5/松本:松本中劇シネサロン/青森:弘前マリオン 劇場/山形:山形フォーラム/福島:福島フォーラム/盛岡:盛岡フォーラム/金沢:シネ・モンド
(以下順次拡大予定)

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『ヴァージン・スーサイズ』
監督:ソフィア・コッポラ(C)東北新社

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ソフィア・コッポラと蜷川実花、ふたりを結び付けるものは?



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