webマガジン「マカロニアンモナイト」
月刊特集
『水没写真を撮ろう!』-後編-

構成・写真/マカロニ・アンモナイト編集部

2000年7月掲載



§水中ハウジングを作る(1)§

 さて今月は、お約束通り水中ハウジングの工作から。はなはだ不完全な仕掛けでお茶を濁した前編のリベンジを期そう。

 工作に入る前に、とりあえずどういう作りにするかコンセプトを立てる。まず、どんなカメラを水没させるかを決めなければいけない。いちばん無理がないのはシンプルなコンパクトカメラで、ハウジングも文字通りコンパクトにできる。操作が単純だから複雑な仕掛けもいらない。万一の場合でも被害が少ないかもしれない、と良いことづくめである。

 だが、この種のカメラは市販で「水中もオッケー」、という製品が比較的安価に手にはいるのでイマイチ面白味が少ない。その点、一眼レフならレンズ交換ができるし、コンパクトカメラでは不可能な凝った撮影もこなせる。問題は大きくて重いこと。ボディとレンズを箱で覆えば、水中での取りまわしはかなり面倒になるはずだ。まあ多少の不自由は撮影の自由度と引き替えで止むを得ないだろう、どうせ一年中使う物じゃあないし、と、今回はいきなり一眼レフ用の仕掛けを作ることになった。相変わらず無謀である。

 水中ハウジングの条件は三つ。防水性を確保すること、撮影レンズに対向する面は透明で歪みのない素材で作ること、撮影時に必要な操作を外部から行えること。このうちアマチュア工作で難しいのはやはり最後の要素である。つまり、焦点調節と露出(絞りとシャッタースピード)調節、そしてフィルムの巻き上げをどうやって水中で行うかが問題だ。

 だが、最近のカメラはこれらの要素をすべて自動化しているものが多い。AF、AE、そしてモータードライブ(ワインダー)機能を内蔵したカメラであれば、必要な操作はシャッターを押すだけで済む。まあ水中ではAFなどあまり頼りにならないはずだが、どうせファインダーを覗いての微妙なピント合わせなど期待できないし、必要もないはずだ。外部からリモートレリーズでシャッターの半押し操作が出来れば大抵の撮影はこなせるだろう、とタカをくくって設計を進めることにした。

 まず、カメラを覆う箱はアクリル板で作る。透明度と強度の高さで水槽などによく使われる素材だ。DIYショップでは指定のサイズにカットするサービスを行っている店も多い。問題はガラスなどに比べると傷が付きやすいことだが、傷は補修できるし、こういう用途では多少の傷が問題になることはないはずだ。

 ハウジングをすべてアクリルで作る必要もないのだけど、透明な箱ならカメラの状態が一目でわかり、万一浸水した場合もすぐに対処できるという安心感がある。やっかいなのはカメラを出し入れするフタの部分で、ここの作りが防水性を左右するといっていい。市販のハウジングを観察すると、この部分にはほぼ例外なくゴム系の素材のガスケット(パッキン)が使われている。似たような物を作ることは難しいけど、ゴムを面積の広い平面で挟んで圧着すれば何とかなりそうだ。

 

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水中ハウジング作りに必要な素材一式。今回はわりとどこででも手に入る物で作った。




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アクリル用接着剤で箱を組み立てたところ。接合面は内側からシリコンゴムのシール剤を塗って防水性を確保する。



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