『東京ヘリテージ vol. 1』
 
 東京ジャーミィ
  −東京に異国が香り建つ− 後編−

文/河野朝子 写真/河野朝子(○)中山慶太(□)


●この企画は試験に出る旅のFAQと連動しています。併せてお楽しみください。

 皆さんご存じのように、日本には建築基準法という物が存在する。そしてローカルな建坪率とか耐震設計とか火災に備えた避難誘導灯とか特に人の集まる施設にはかなりいろいろな規制がある。『規制緩和』が叫ばれる昨今でも人々の安全を考えたら絶対譲れない規制や基準が数多く存在するようだ。
 昨年のトルコの大地震の悲劇は記憶に新しいところで、トルコも地震国なんだなぁ、そこで何年も耐えてきたモスクもあるんだろうなぁ、と思いを馳せるのは容易だが、トルコの設計をそのまま日本に持ってきて、はい建てます、と言ってもそうは問屋、じゃなくて役所がハンコを押さないだろう。
 区体工事を行ったのは鹿島建設。設計はムハッレム・ヒリミ・シェナルプ氏。内装などはトルコから職人を呼んで仕上げられた。現場監督は日本人、トルコ人それぞれにいて、通訳を介しながらこのプロジェクトは進められたという。工期は二年。
 調べてみたところどうやら鹿島建設には
こういったプロジェクトの経験もあったようではあるのだが、伝統を踏襲しながら近代もデザインされているこのモスク、やはり日本の建築基準法に適合させるには相当の苦労があったらしい。しかも大理石などの装飾資材はすべてトルコから調達したと聞けば、会社勤め時代外国人と仕事をした経験がある者としては、それはそれはご苦労様、としか言いようがない。相手がいかに人格者でメンタリティが日本人と重なる部分が多くて、仕事としてひとつの目的を共有する者同士でも、言葉と文化の違いは結構きついことがある。

 

 


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○細かいところに様々な装飾が


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○ついでにブレ写

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○左右の赤い部分も石材



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