webマガジン「マカロニアンモナイト」月刊特集
『ammonite pinhole photographs』
アンモ針穴写真館2
(前編)

文/写真:中山慶太柴山みゆき
1 2 3 4 5 6 7 8 9 2001年2月掲載


§最初はインスタントフイルムで§

 撮影日は東京地方でこの冬いちばんの大雪が降った翌日。見事に晴れ渡った空の下、北の丸公園界隈はいちめんの銀世界、というか、途中で雨に変わったためにぐちゃぐちゃの地面である。暗箱を装着した三脚を担いで歩くのはなかなか難儀なのであった。

「でも、雪の人物撮影はレフ板を使わずに済んで便利ですよね」と、柴山みゆきがぼそりとつぶやく。流石に日大芸術学部卒、カメラには無知でも妙なことを知っている。

 降雪は予想外だったが、この季節はピンホール写真に向いているといえないこともない。真冬は一年中でいちばん空気が澄んで、風景のすみずみまで陰影がくっきり、コントラストが立ってくるからだ。真昼でも太陽が真上に来ない斜光線になるので、光が暖色系になる(専門用語では「色温度が低い」という)のもいいと思う。これは好みの問題だが。

 反面、真冬の撮影で困ることもある。今回の前編ではインスタントフイルムを使った撮影法を紹介するのだけど、気温が低いとこの処理時間(現像時間)がどんどん長くなるのだ。ちなみに撮影に使ったFP-100C(カラー、ISO100)の場合、推奨温度帯が15度から35度の間で処理時間は180秒から60秒。つまり気温が35度の真夏日なら1分で正しい処理が完了するところを、15度だと3倍必要ということ。それ以下の気温だとさらに長くなって、これは露光後に体温で暖めてやれば解決するのだけど、ちょっと面倒ではある。

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<針穴写真術その3>
大判用のインスタントフイルムは10枚でワンパックになっている。これを専用のホルダー(写真の品番はPA-45)に装填して使う。ホルダーは親切なイラスト入りなのでサルでも、いや柴山でも間違う危険はかなり少ない。通常のフイルムと同様に、装着は直射日光を避けて行うようにしてください。




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<針穴写真術その4>
暗箱後部のフタを開き、フイルムを装填したホルダーを取り付ける。妙に嬉しそうな柴山が不気味である。新品のフイルムパックを使う場合、撮影前には必ず遮光紙(黒い厚紙)を引き抜いておくこと。


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<針穴写真術その1>
これがアンモ編オリジナル・ピンホールカメラ(正確にはピンホール付き暗箱)『針穴壱号』。小顔の柴山みゆきが持つとデカく見えるけど、実際にはそんなに大きくない。





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<針穴写真術その2>
長時間露光を行うピンホール写真には、しっかりした三脚が必需品。雲台もカメラの取り付け面積が広いものが好適だ。どっちもない場合はベンチやテーブルの上とかに置いて撮れるけど、アングルは制限される。

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