webマガジン「マカロニアンモナイト」月刊特集
シリーズ 写す人 第一回
「創造の記憶」(前編)
株式会社タミヤ社主・田宮 俊作氏

文/写真:中山慶太
取材協力・写真提供:株式会社タミヤ
1 2 3 4 5 6 7 8 2002年1月掲載


§ はじめに §

 冒頭からちょっと堅い話で恐縮だが、このシリーズのテーマについて書き記しておきたい。

 さる光学メーカーの調査によれば、国民ひとりあたりのフィルム消費量は、ここのところ二位のドイツを遙かに引き離して日本がナンバーワンだという。おそらくひとりあたりのカメラ保有台数もおなじだろう。

 だからというべきか、私たちのまわりには写真と、写真的な表現が満ちあふれている。それらは遠く離れた場所のできごとを伝えたり、日常の風景を切り取ったり、あるいは華やかな商品のイメージを描いている。

 もちろん消費されるフィルムや電子映像の多くは、それ自体が表現メディアとして完結しているわけではない。ひとの目に触れることなく、ただ現象や物体を記録することで役割を果たす写真の数は、きっと私たちの想像をはるかに超えているはずである。

 だが、果たしてそういう写真たちは「創造的な、あるいは表現手段としての」写真の王道から外れて存在しているのだろうか。あるいはむしろ、そういう写真にこそ記録媒体としての本筋があるのだろうか。 

 このシリーズでは「写真を撮る」という行為を直接の目的とせず、しかし写真の記憶を創造の糧(かて)とするひとたちを通じて、写真の意味について考えてみたい。

 ビジュアルスタジオ新企画「写す人」第一回は株式会社タミヤ社主、田宮俊作氏の「創造の記録」をお届けする。田宮氏は木製模型の時代から企画設計に従事され、戦後間もなく静岡の地場産業として興きた模型メーカーを、事実上一代で世界最高峰の地位にまで押し上げた方である。

 今の日本ではミニ四駆のメーカーとしての知名度が高いが、タミヤの名をひろく知らしめたのは、いうまでもなくスケールモデルだ。戦車や航空機、そしてF1マシンなどのメカを精密な縮尺で再現するため、田宮氏は世界中のミュージアムやファクトリー、そしてコレクターのもとに足を運び、精力的に取材活動を行ってきた。その模型に対する情熱と意欲は今も衰えることなく、世界中の愛好家から最大の敬意を込めて“ミスター・タミヤ”と呼ばれている。

 自らの著書で「とことんやるのがホビーの世界」と記された田宮氏。長年にわたる氏の創造活動に、写真という二次元の記憶はいかに役立てられたか。今回の取材ではその秘密の一端を語っていただいた。


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※プレゼントは終了しました。『田宮模型の仕事』&記念ミニモデル§
株式会社タミヤのご厚意により、『田宮模型の仕事』を著者である田宮俊作氏のサイン入りで3名の方にプレゼントします。1997年に刊行された本書は、キャリアの長い模型愛好者からミニ四駆ファンまで、若者から企業経営者まで幅広い支持を得た名著。2000年の文庫化にあたって大幅に加筆され、さらに充実した内容となっています。また5名の方には『田宮模型見学記念ミニモデル』(静岡本社を見学した方に配られるスクーターの小型スケールモデル)を差し上げます。
●ご希望の方はプレゼント品名を明記のうえ、この記事の感想を添えてこちらからご応募ください。

※プレゼントは終了しました。
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