アンモナイト針穴写真館
 『ピンホール夢幻』
(前編)

 文・写真/中山慶太(マカロニアンモナイト編集部)


--いよいよ撮影--
 愛機の改造が完了したら、フィルムを詰めて撮影に出かけよう。おっと、三脚はぜったい忘れないように。
 さて、適当な被写体を見つけたらファインダーをのぞく。ここで撮影は最初の関門にぶち当たるのだ。ファインダーが暗くて役に立たない! さもありなん、直径1mm以下のピンホールでは、ピント合わせに必要な明るさが得られないのだ。ん〜、ピント合わせ? そもそもピントリングはどこにあるの?
 実は、ピンホール写真にピント合わせは必要ない。理論上、画面内のすべてにピントがあってしまう完全な『パンフォーカス写真』になるからだ。見方を変えれば、ボケを活かした(ボケに頼った?)絵づくりはできないということ。
 さて、お次は露出モード。げっ、カメラのAEが連動しないぞ。シャッタースピードはどうやって決めるんだぁ!
 これはちょっと難しい問題だ。専用レンズではないからAEモードはほぼ全滅、マニュアルモードで撮影するしかない。またカメラに内蔵のメーターを使った、いわゆる『メータードマニュアル』で撮ろうにも、実効F値があまりに大きいた めボディ内メーターは測光範囲外となり、役に立たない場合が多い。つまり、ピンホールを装着した時点でハイテク写真機も暗箱に先祖返りしてしまうのだ。
 そこでマニュアル撮影の基本をおさらいしておこう。原則として『被写体の明るさが一定なら、シャッタースピードは絞り値とフィルム感度で決まる』。では、ピンホールの正確なF値を求める方法は? これは簡単、『焦点距離(フィルム面から針穴までの距離)を針穴の直径で割った数値』が絞り値になる、と覚えておこう。一般的な一眼レフボディの場合、フランジバックは45mm前後である。ボディキャップのピンホールが0.3mmなら、45割る0.3イコールF150、という絞り値が導き出される。ピンホールのおおよその直径を知っておくことが、ここで意味を持つのであった。

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作例3/下町の流れ(その2)。35mmフォーマット換算で焦点距離21mmという超広角だが、周辺光量の低下もそれほど目立たない。水面からの入射光でわずかなフレアが発生しているが、ボディの内面反射が原因だろうか。フォトラマFP-100C45、自作4×5ボディ+ピンホール、焦点距離75mm、絞りF250、露光時間3分半。

 



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