アンモナイト針穴写真館
 『ピンホール夢幻』
(前編)

 文・写真/中山慶太(マカロニアンモナイト編集部)


--露出は経験で決める--
 測光には単体の露出計が便利だが、ここでは焦点距離の近いレンズを併用して基本的な絞り値とシャッタースピードの組み合わせを出す方法をおすすめしたい。似たような画角のレンズを携行していれば構図も決めやすいし、使い慣れたAEモードで露出を決められるからだ。あとは単純な計算でおおよそのシャッタースピードを導き出すことができる。例えば絞りF2.8で1/60秒なら、F4で1/30秒、F5.6で1/15秒……というように、露光量が等しい組み合わせで絞り値をピンホールの値に換算するのだ。F150はF2.8のほぼ11段半落ち(!)だから、基本タイムの60分の1秒を倍にする計算を11と1/2回分繰り返して、およそ45秒の露光をかければ良い。ただし露光タイムが数分に達すると、相反則不軌の影響でこの計算が大幅にずれてくる。これはフィルムの説明書を参考に補正を加えていく。実際にはそれでも露出不足になりがちだが、慣れてくれば経験で補正量がわかるようになる。最初はとにかく露出計の“出た目”を基本に、補正量をデータとしてとっておこう。
 さて、途方もない絞り値からある程度予想できるが、実際にピンホール写真を撮ってみるとやはり露光時間の長さに驚かされることになる。ISO100前後という中庸感度のフィルムを使った場合、よほどの好天の陽なたでもなければ1分を切ることは少ない。曇天や陽かげでは5分や10分を超える露光も珍しくない。この露出時間の問題は、ISO400や800の高感度フィルムを使えばある程度解消できる が、撮影に三脚と時計は必須である。また、カラーで撮る場合フィルムはネガの方が使いやすい。リバーサルではラティチュードの狭さがネックになり、ある程度経験を積まないと適正露出を得ることが難しいからだ。反面、データを収集する目的なら露出にシビアなリバーサルが適している。

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作例4/下町の流れ(その3)。テスト撮影は4×5サイズのフォトラマで行ったが、初めてのピンホール撮影だったので露出決定には悩んだ。
フォトラマFP-100C45、自作4×5ボディ+ピンホール、焦点距離150mm、絞りF500、露光時間
2分。

     
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作例4の露光中、35mm一眼レフに40mmレンズを装着して撮影した比較写真。はるかに小さい画面サイズにもかかわらず解像度は桁違いに高く、色の再現性も被写体に忠実な印象だが、しごく当たり前の写真になってしまった。



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