『美しい夜を撮ろう』− 後 編 −

 文・写真/中山慶太 1998年9月掲載

§月光写真に挑戦(1)§

 今から十数年前、月の光だけで撮影した『月光浴』という写真集が出版された。けっこう話題になったのでご記憶の方も多いと思う。青味がかった不思議な色彩と淡いコントラストの、それは肉眼で見る景色とはかけ離れた風景写真の世界だった。
 なぜ月の光で写真を撮ると、見た目通りに写らないのか。月の光だって、もとをただせば太陽の光である。月面に反射して地球に届くだけ、いわばバウンスライティングではないか。実は月光写真が青っぽくなる理由の大半はフィルムの特性にあるのだけど、この話は長くなるので今回はおあずけ。で、賢明な読者の方々は夜景を撮るならついでに月光写真も撮ってしまおうという安直な企画がアンモ編集部で進行した、と思っていただきたい。

 

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作例1:シチリア午前5時

荒涼たる大地に面した村の夜明け。純粋な夜景ではないけれど、日没後と日の出前のわずかな時間は光のバランスが目まぐるしく変化して魅力的だ。露出を少し変えるだけで画面全体の色調が激変するので、どの部分のトーンを出したいかを考えてシャッターを押す。作例では家並みのトーンを基準に露出を決めた。35mm一眼レフ、焦点距離28mm、絞りF8、4秒、フジクロームプロビア(RDP2.) 、三 脚+レリーズ使用。

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