コムタカツジの世界
写真展『Sweet Confusion』より 
後編−



不思議な眼をしたひとだと思う。コムタ氏と会うのはたいていギャラリーなのだけど、彼は若い写真家たちが持参した作品を見たり、来場者に自分の写真を説明していることが多い。ちょっと挨拶して端の方で待っていると、彼の視線はひとところを見つめながら、しかも周囲をきちんと観察していることがわかる。ディテールに集中しつつ全体を見る、という映像ディレクターの性癖であるのかもしれないが、たとえ親しい友人と雑談に興じている時でも、その眼は感情に流されることがない。

今回の写真展のタイトルである『Sweet Confusion』は、そういう冷静な観察者である作者の願望であるように思う。混乱への欲求がひとを創作に駆り立てる、とはいかにも陳腐な解釈だろうか。だが、いっけん感情移入を拒むかのようなその視線の奥に宿る意志を発見したとき、鑑賞するものは作者を旅に向かわせ、シャッターを押させた衝動を共有することができるのだ。コムタ氏の写真に出会ったとき、あなたは彼の笑わぬ瞳の奥に何を見いだすだろう。
text:Keita Nakayama


<--Back to previous   Next-->
 
写真展『Another Side of Sweet Confusion』
at Rocket Art Laboratory, Aoyama Tokyo
May14-19.1999



コムタ氏御用達のコンパクトカメラ、ティアラ


コムタカツジ氏(右)
Photo/Keita Nakayama

Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部