「週休六日のススメ」
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 イラスト・写真・文/福山庸治

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人島に一冊だけ本を持っていくとしたら……?

 その一冊は、クラシック音楽の楽譜ということに決めた。が、どの作曲家の、何という曲にするかとなると、なかなか難しい。
 もちろん、無人島に楽器などないはずである。自作するにせよ、とりあえずは、すべて頭の中だけで演奏指揮するのだ。僕には絶対音階は備わっていないし、楽譜を読むのもちっとも得意ではないので、ラテン語やら梵語を読むようでは困る。やはり多少は、耳に馴染みのある曲であることが必要かもしれない。

 しかし、読み物がその楽譜一冊しかないのだから、あまり馴染みがあり過ぎても、簡単に曲が“完成”してしまって、次の曲への渇望が早まる恐れがある。ある程度以上の長さの曲であること、それに、楽器の数や種類も多いほうがいいだろう。

 となると、やはり交響曲ということになろうか。
 一口に交響曲といっても、ハイドンとマーラーでは、時代も違えば、楽器の数も小節の数も、まるで桁が違う。ハイドンが瀟洒な馬車なら、マーラーは重厚長大な蒸気機関車である。欲張って、マーラーなどを持参したとしても、いったいこの僕に、千人ものオーケストラ(「千人交響曲」)を束ねることが出来るようになるものだろうか?

 それでも、早晩、スコアの隅から隅まで暗記してしまうに違いない。なにせ、それしか読むものがないのだから。


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