「週休六日のススメ」
       -34-

 イラスト・写真・文/福山庸治

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 


--->拡大表示

ンガ家に於ける締切の話の2。

 ところが、頼まれもしない原稿を描くマンガ家も、世の中には少なからずいらっしゃるのである。「MangaErotics」という季刊本を出版している太田出版のO編集者に聞いた話だと、「まんだら屋の良太」で有名な畑中純氏は、そうやって描いた原稿を大量にストックされているという。確かに勢いで描く速そうなタッチの絵ではあるが、速ければ締切がなくても描けるかというと、それは人によりけりというヤツで……

 そういうイケナイ方はほっとくことにする。 

 でもって、その“余程の強制力”こそが、僕にとっては締切である。
 それがあるから、覚悟もするし、娑婆への一時的な諦めも生まれ、数少ないながらも、なんとか頭に巣くっている想念を、作品というカタチに出来てきた。もちろん、描き上げたあとは疲労困憊の極に達する。人に手伝ってもらってもそう、不眠不休で、緩慢なフルマラソンを走ったようなものだ。走らずに、ゆっくり歩いて作品が完成したことなど、数えるくらいしかない。どんな仕事でも同じ側面があると思うが、マンガ家を生業にすることもまた、やはり確実に命を削る行為なのである。トキワ荘の人々がいい例だ。もっとも、マンガ家は仕事をするたびに、何歩も死に近づくが、作品は永遠の生命を得…………られなかったりするから、余計疲弊する。


      <---Back   ... To be continued.  

 


Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部