「週休六日のススメ」
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 イラスト・写真・文/福山庸治

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代目にして潰れる話の2。

 という具合に、二代目までは順調に伸びてきた。
 さて、その二代目の結婚相手が、この話のポイントである。
 彼は社会的地位も経済力も十分身につけてしまった。だが、やや文化的な方面に疎い。というより、芸術のことはよく分からない。そもそも、芸術家が悩むようには悩めない。二代目にとっては、悩めないことが悩みと言える。悩みというもの、すべからくプラグマティックに解決すべきものだと考えているのだから、ブンガクだの何だの、あったもんじゃない。

 だからというべきか、彼は、絵や芝居を愛し、自らも絵や文章を書いたり、ピアノも弾くという、どちらかというと内気で感受性の強い女性を妻に迎えた。自分には決してない、繊細な感情を持つ人を選んだのだ。
 もう会社はそれなりに組織化され、母のように、妻までもが汗まみれになって働く必要はない。妻は専業主婦として、家を守っていればいいのだ。彼はもちろん、妻自身もそう望んだ。

 その妻の持つ遺伝子が、彼らの子供に出た。
 繊細で感受性に富む三代目は言う。

「僕は実業には向いてない、音楽をやりたいんだ」


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