世界マンボ紀行

文・写真提供/パラダイス山元

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110.ティトプエンテへのプレゼント
 時ならぬマンボブームの日本から、飛び火したわけではないが、89年にピュリッツア賞を獲得したオスカーイフェロスの小説「マンボキングス、愛のうたを歌う」が映画化されると知ったのは、ティトプエンテが来日中我々と会食している最中だった。「もちろんボクが、若き日のティトプエンテ役で出るのさ!」と話を聞き、さらに日本酒で酔っ払うティトに「我々も是非出演したい」とずうずうしいお願いをしてみたものの、「日本人が出てくるシチュエイションなどないよ。」と言われて、終了してしまった。しかしその夜、メチャメチャ上機嫌のティトは、翌日のブルーノート東京のステージで、こともあろうに我々がプレゼントした禁断のレコード会社「テイチクレコード」と「東京パノラママンボボーイズ」と名前が染め抜かれた、我々の特別(特殊)イベント用のはっぴをうれしそうに羽織ってティンバレスの前に立ってしまったのだった。ティトプエンテを見に、聴きに来た客が、そんな格好で演奏している姿を目の当たりにするというのは、かなりハイレベルのシャレではないか。正直私も焦った。まさかこんなことを、頼みもしないのにやってくれるなんて!そういえば昔ビートルズが初来日したときも、日航機からタラップを降りてくる際、日本航空のはっぴ着て降りてきたのも、彼らの日本に対する無知故に、ガードの甘さを突かれたのだと推測するが、ティトは自らやってくれてしまったのだった。その夜、嬉しくて嬉しくて、夜も眠れなかったのは私だけだったのだろう。


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