「週休六日のススメ」
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 イラスト・写真・文/福山庸治

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画「2001年宇宙の旅」の音楽にも、度肝を抜かれた。
 R・シュトラウスの「ツァラトストラかく語りき」は、まるでこの映画のために作曲されたかのようなハマりようだが、猿から宇宙へと場面が変わり、突如、ヨハン・シュトラウス作曲による超有名なウィンナー・ワルツが鳴り響き始めた時には、その思いも寄らぬメロディの登場に、目からウロコがばりばり剥がれ落ちる思いだった。

 確かに、宇宙船が、ゆっくりと回転しながら運行する様は、華麗に円舞しているようでもある。まして、「宇宙の旅」という観光気分を想像すれば、ウィンナー・ワルツがBGMに来てもまったく不思議ではない。しかし、映像のほうは、シリアスで、静謐で、どことなく空虚で、硬質な冷たさをたたえたものだ。どこを切り取っても、幸福な笑みなど見いだせない。どう考えても、ウィンナー・ワルツの豊満で賑やかで、笑いと暖かな陽光に満ちた音楽とは相容れない、異質な世界を持っている。

 そのミスマッチが素晴らしかった。
 ワルツが、暖かく豊満に鳴り響けば響くほど、映像はより一層孤独さを増し、人類の未来が抱え持つ、言いしれぬ空虚さを訴えるのである。これぞ、組み合わせの妙といえる。この映画ほど、音楽の効果を思い知ったことはない。創造というのは、何もゼロからばかり作るものではないことも。


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