「週休六日のススメ」
       -47-

 イラスト・写真・文/福山庸治

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 


--->拡大表示

れあいは、今は描くことを忘れているみたいだが、漫画家の経験がある。そして、僕の千倍くらい漫画のことに詳しいが、そんな人が、僕の漫画については、ほとんど何も知らなかった。

 そのことは、僕にとっては大いなる“買い”だった。
 なぜなら、この事実は、漫画のみならず、映画や小説などの創作物に関しては、趣味も嗜好もまるで違うということの証であり、生活を共有するにあたっては、お互いのテリトリーが違って、はっきりとした棲み分けが出来るということを示していたからだ。

 夫婦であれ何であれ、他人と生活を共にする場合、漫画家という不規則で不安定でデタラメな生活を理解し、受け入れることが出来るのは、やはり同業者が一番だろう。特に職住一緒の自宅で仕事をする漫画家など、普通のサラリーマン家庭を夢見る女性には、到底魅力ある夫の職業とは思えない。彼女が“普通”の家庭を志向すればするほど、裏切られ、夢をずたずたにされてしまうことになりかねないからだ。

 とはいえ、同業者が夫婦になった場合、恐いのは、仕事(=漫画)のことが原因で、好みが抵触したり、優劣を競ってしまいがちになることである。もしそういうぬかるみはまったら、それは大きなストレスである。
 なので、つれあいと一緒になるまでは、同業者と一緒になることなど、僕にはついぞ考えられないことだった。ある担当編集者の言によれば、それは「近親相姦」だそうで、僕もそう考えるにやぶさかではなかったのである。

 だが、僕の漫画を読んだことのない、ヘンな同業者がいた。
 僕は、即“買い”を入れた。


      <---Back   ... To be continued.  

 


Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部