下野康史のホビー人間養成講座 第23回
『二馬力色のペンキで家を塗った話』
              -8-

文/下野康史

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 photo:k.nakayama

 

 

 

も、こっちだってあやしいおじさん時代を経るなどして苦労したのだから、あとには引けない。結局、工務店の社長と設計士をまた例のお宅に連れていって、これじゃなきゃだめなんだと頼み、再塗装をしてもらった。部外者にとっては「たかが色」でも、当人にとっては「されど色」なのである。
 かくして2CVカラーの家が完成した。ひょっとしたら妙にメルヘンチックになってしまうのでは、という懸念は杞憂で終わり、むしろ逆にアルミっぽいメタリックな雰囲気が生まれたのはうれしい誤算だった。水性塗料でも、可能な限りテカテカした光沢を出してほしいと頼んだのは、ヴェネツィアのゴンドラが頭にあったからである。
 水色というのは空の色でもあって、日が落ちると、本当に空の色と区別がつかなくなる。そのうち、目の悪い鳥がぶつかるんじゃないかと心配している。
(この項終わり)


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