「週休六日のススメ」
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 イラスト・写真・文/福山庸治

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者をスリルとサスペンスの世界に誘うのならともかく、マンガ家自身が、担当編集者を巻き込んで、ストーリーの破綻や矛盾に怯えながら、スリルとサスペンスを味わってどうするんだと言われそうだが、実にその通りである。

 だが、もともとマンガというのは、それをスリルともサスペンスとも、更には負い目ともコンプレックスとも感じることなく、真っ向から、そういうスタンスで作られてきたのではないかという気もする。作中で一度殺してしまったキャラクターを、死んでますます人気が出たために、こじつけ以外の何ものでもない理由で生き返らせたり、ある号で、ほんの余談として描いた部分に人気が出たために、ストーリーの流れを無視して、その余談のほうへと脱線し続け、ほとんど連載当初とは似ても似つかない別のマンガになってしまうなど、その場その場で面白ければいいという、徹底した場当たり的な面白さの追求が、マンガの黄金期では日常茶飯に行われていたと思うのである。

 先の読めない展開。
 実は、先を読めなくしているのは、ヒチコック監督のような、綿密な計算によるものとは対極にある“いい加減”さであり、その“いい加減”こそが、特に黄金期の“連載”マンガを面白くしていた原因の一つなのではないかと、僕は思っている。


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