* 週刊フォトエッセイ *

「週休六日のススメ」
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 イラスト・写真・文/福山庸治 --->Back Number

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んなにステージが遠いんなら、家のステレオでレコード(当時はまだCDは無かった)を聴いているのとちっとも変わらない。もちろん、聞こえてくる音楽は生演奏だ。大出力のアンプとスピーカーを通した音とはいえ、周波数帯域の狭い録音再生音とはまるっきり違う。だが、まるで隣の町の打ち上げ花火のように小さく見えるステージ上のミュージシャンたちが行っていることは、現実であっても現実感はなく、遠くで起こっている出来事であり、最後までライヴを体験しているという実感を持てないままであった。いっそ、それこそ伝説と化したGFR(*)公演の時のように、激しい雷雨にでも見舞われれば、ライヴ感覚そのものであったろうが。

 現在だと、巨大会場のコンサートでは、ヴィデオ用の大きなスクリーンに、ミュージシャンたちの姿がリアルタイムに写し出されることがほとんどなので、たとえ胡麻粒ほどにしか見えないミュージシャンたちでも、毛穴まで覗けるほどのアップで眺めることが出来るようになった。

 が、それは、果たして進歩なのだろうか?
 問題は会場が広すぎることであって、本末転倒なのではなかろうか?
 ……とも思うのだが、この手のコンサートは、基本的にお祭りと一緒で、観客が一万人よりは十万人のほうが、より楽しいのであろうから、それはそれでいいのだろう。

(*)GFR……グランド・ファンク・レイルロードというトリオによるバンド。

 

−編集部よりお知らせ−
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