* 週刊フォトエッセイ *

ベトナムのアルバムから
        −空気編−
           -8-

文・写真/河野朝子 --->Back Number

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 海辺のレストランで午後の読書。

 

 


 

「今までいったところでどこが一番良かった?」と訊かれることは多いのだが、こと人間の親切さに関してなら、私はイラン、そしてベトナムを推奨したい。もちろんどこに行っても、自分に感謝の気持ちというものがまだこんなにあったのか!と驚かされるくらいの親切にたくさん出会うし、人の気持ちを当てにしたこちらの下心がどんどん恥ずかしくなるくらい自然に親切なところは多いのだが、イランとベトナムはその中でもかなり嬉しかった。
 地域やその価値観によっては、人のことにとやかく口出し手出しするのがはしたないことになっているところもあるので、親切こそ世界で一番偉い!とは言えないのだが、そういうところに行くとわかっちゃいるけれど「不親切だなぁ」とつぶやきたくもなる一般的な日本人旅行者にとってイランとかベトナムは『ものすごくいいところ』でなのだ。
 そういえばベトナム戦争後、難民として米国に辿り着いたベトナム人を欧米式の精神分析の観点で看ると「感情表現などに問題がある」と診断されることが多かったらしいのだが、実はそれらの人々は一般的なベトナム人で特に問題がなく、後にネイティブなベトナム人に対する判断基準を変更せざるを得なかった、という話をどこかで読んだことがある。要するに欧米人にとっては「何を感じているのかわからない」「表現に障害があるのでは?」と見えるのだろうが、こういうところが中国をすっ飛び越して、なぜか日本と共通しているベトナムなのである。ただしあちらは米国とサシでやって勝ったところがちょっと(?)違う。


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