* 週刊フォトエッセイ*

「週休六日のススメ」

 イラスト・写真・文/福山庸治--->Back Number


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102 旅先での食事は楽しい?

 先での食事は楽しい。

 ……はずであるが、僕の場合、腹が減るたびに、どの店で何を食べるかを考え、意味不明のメニューと格闘し、いちいち選択決定を下すことが、いささか億劫になってくる。恥ずかしながら、僕はメニューを前に、激しく優柔不断になってしまうタチなのである。レストランに入り、何と何を注文すれば、さほど懐が痛まず、しかし程度の良い食事が出来るか、実はこれは大変な難問である。その難問の答えを、メニューを渡されたほんの短い間に、すばやく示せばスマートなのであるが、それがなかなか僕には出来ない。メニューによっては、正解がない場合があるからだ。いや、そのほうが圧倒的に多い。どれを注文しても、激しく懐が痛んでしまう。

 観念すればいいのである。
 だが、それが瞬時には難しい。ここで観念すると、この次も、その次もと、永遠に観念し続けなければならないような気がしてくるからだ。それは悪夢だ。悪夢は断ち切らなければならない。でもって、ついつい悪あがきをしてしまう。とことん貧乏人なのであろう。他にリーズナブルな値段のものはないかと、メニューを徹底的に探し始めるのである。だが、あるわけがない。

 結局、観念する。





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