* 週刊フォトエッセイ*

「週休六日のススメ」

 イラスト・写真・文/福山庸治--->Back Number


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104 カーネギー・ホールで感激??

 の『Bed&Breakfast』から1ブロックほど歩いたところにカーネギー・ホールがあり、「演し物が何であれ、何か演っていたら観てみませんか?」という僕の提案に、みんな乗ることになった。おのぼりさんそのまんまに、あの有名な、カーネギーホールの観客をやってみたいと思ったのだ。出来れば、クラシックのコンサートを聴きたいと思ったが、動機としては、自由の女神を見物に行くのと大差はない。

 大ホールのほうは、残念ながら何もやっていなかったが、『Weill Recital Hall』と呼ばれるらしい小ホールで、何やら室内楽を演るらしいので、僕ら三人はチケットを購入し、中へ入った。
 当日券では、さすがに三人並びの席が取れず、僕たち夫婦は二階席の最後列、Yさんはアリーナの最前列にと、二手に分かれて座ることになった。シートも壁の飾り縁も、ペンキを何度も塗り重ねた跡があり、歴史の厚みを感じさせる。

 演し物は、確かに室内楽であった。
 が、室内楽は室内楽でも、現代音楽であった。
 プログラムを見ると、前日は武満徹作品も演ったらしい。

 アレルギー性鼻炎持ちの僕は、演奏中にクシャミをしないようにと、事前に鼻炎薬を飲んでいた。抗ヒスタミン系のこの薬は、飲むと極端に眠くなる。
 つれあいは、別に薬も何も飲まないが、最後列という気楽さもあるのか、演奏が始まると眠り、コンサートが終わると、満場の拍手の中、起きた。

 最前列のYさんはというと、演奏者たちを目と鼻の先にして、寝るに寝られず、コンサート終了後、こう言った。

「いやぁ、手の込んだ拷問だった」





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マカロニ・アンモナイト編集部