* 週刊フォトエッセイ*

「週休六日のススメ」

 イラスト・写真・文/福山庸治--->Back Number


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105 寂しがり屋のBlack Cat

 .S.スズメと日本スズメの間には、見かけ以上に性格が違うことを前に書いたが、U.S.猫と日本猫には大差がないというか、ほとんど同じであった。
 こうした“事実”は、海外経験の豊富な方によって、もうさんざん書き尽くされきたかとは思うが、僕には僕なりの“新発見”もあったわけで、書きようによってはまた面白い読み物になるかと思って書いている。

 ニューヨークのBed&Breakfastには、若い黒猫がいた。
 アメリカの黒猫なので、「フィリックス」と呼んでみたが、反応がない。それもそのはず、この猫、メスであった。まして、作家であるはずもなく、「ポー」と呼んでも同じだった。

 宿泊客はこれ観光と忙しいし、ダンサーである宿の主人もレッスンがあって留守がちなので、この猫は独りで居ることが多い。そのせいか、大変な寂しがり屋で、人を見つけると、すぐにすり寄ってくる。僕が疲れてベッドに横になり、うとうとしかけたら、何やら太股のあたりに触るものがある。僕の広げた股の間で、猫がとぐろを巻くように寝ているのである。夢見半分、寝返り打って、猫を起こしては可哀想だと思ったのかどうか、僕はその間抜けな格好のまま朝を迎えることになるのだが、目が覚めた時には、すでに猫はベッドにはいなかった。

 猫と子供は、ヒマ人が好きである。
 逆に言うと、猫と子供に好かれたければ、ヒマ人になることかもしれない。





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