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* 週刊フォトエッセイ*

「週休六日のススメ」

 イラスト・写真・文/福山庸治--->Back Number


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113 伝統家具の運命

 家を買った。
 引っ越しを含め、心身共に擦り減らす、かなり地道な努力を要する買い物だったので、そのネタを元に、今後いくつか作品を描けそうだ。

 家がほぼ99%買えそうな段階に達した頃、家に関係したことで、何か一つだけ贅沢をしたいと思い、丁度近くのメッセで開かれていたキャピック展(刑務所作業製品即売会)に出向いた。ここの家具は、無垢材で作られた伝統仕様の重厚且つ立派なものばかりで、見るからにデカくて重たそうだし、値段も高い。常に引っ越すことを考えているアパートの住人には無縁のものである。いつもだったら、目の肥やしにしか過ぎない家具たちだが、この日ばかりは、いつもとは多少見る目が違っていた。もう引っ越すことはあるまいからだ。

 とはいうものの、やはりこれらの伝統家具は、田舎の大きなお屋敷にこそ相応しく、小さな建坪の小さな六畳間には、あまりにも大きすぎる。しかも、最近の建売住宅には、初めから各部屋にクローゼットがついていて、別にタンスは必要ないのだ。これらの重厚な伝統家具は、モノとしては素晴らしいが、あるいは滅びゆく運命にあるのかもしれない。

 そんな重厚で立派な伝統家具の中に、古いような新しいような、僕の目にはとてもモダンな感じのするテーブルが目にとまった。





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