* 週刊フォトエッセイ*

下野康史の出物・ハレMONO 第1回

文/下野康史(かばた・やすし)--->Back Number
写真/河野朝子


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もしもチェロが弾けたなら #10』

 1週間ほど、サイレントチェロを借りて、家で弾かせてもらった。
 弦を指で押さえる作業は同じなので、ギター歴はたぶんないよりあったほうがマシだと思うが、決定的に違うのは、チェロは弦が垂直方向に張ってあるということだ。Cから5度ずつ上がっていくチューニングも、ギターの低音側4本とは違うから、ポジションやスケールも参考にはならない。それよりなにより、取りつく島のないフレットレスというのがカルチャーショックですらある。
 以上が、左手の困難。右手はボウイングだが、これもやり始めると、困難のかたまりだ。弓を正しく弦に押しつけてボウイングしないと、同じ音色が持続しない。それ以上に大変なのは、弓の水平を保つことである。疲れてくると、弓を持つ手が重力で下がってしまうのだ。弦を上に向けて弾くバイオリンにはない苦労だ。まさかこんなむずかしさがあるとは思わなかった。「困難でましたけどォ……」(古い)って感じだ。

サイレントチェロのサイト@ヤマハ(株)

※取材協力:ヤマハ株式会社

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