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エマーソン、レイク&パーマーの「展覧会の絵」、これがまた70年代のプログレッシブ・ロックの傑作の一つ、ピアノ組曲をロックミュージック変換(?)する天才ってのもあるってこと(プロムナードに歌詞つけて歌うなよ、とは思いますが)
そしてこのジャケットに絵を描くイラストレーターもまた居る。



* 週刊フォトエッセイ*

「今日もカメラは回る」

 写真・文/根岸 泉--->Back Number



 


Roll 11 プロムナード

 ロシアにハルトマン*という前衛画家がいた、具象物から抽象的なイメージを想起しうる才能が前衛画家の本質といえるかもしれない、ハルトマンは1873年に没した。

 翌1874年にハルトマンの追悼展覧会が催され、訪れたムソルグスキーは友人の遺した絵の印象をもとに10編からなるピアノ組曲を作った、「展覧会の絵」である。
 ムソルグスキーは絵を観ると音が聴こえる才能の持ち主であったと言えるだろう。
 2,3,5,7曲の前には絵と絵を見る間の気分をあらわしたとされるプロムナードが置かれている。

 48年後フランスのラヴェルがこれをフルオーケストラに編曲した、この管弦楽版「展覧会の絵」は近代管弦楽の頂点の一つと言われている。
 ラヴェルには曲を聴いて別な曲を思い描ける才能があったということだ。
 精緻にして完璧な構成を目指し、職人気質とまで言われたラヴェルであったが一方際だって斬新な和声を導入し「危険な前衛」とも呼ばれていた。

 1966年、更に42年後、マンガの神様手塚治虫がこれをもとにアニメを製作した、管弦楽版「展覧会の絵」からインスピレーションを得た10編で構成されるオムニバス形式の実験アニメである。
 天才手塚は音楽を聴くと絵が頭に思い浮かぶ人であったのだろう。

 はじめにハルトマンの目に映ったものは一体何であったのか? ともあれそれは4人のタイプの違う才能リレーの末、100年のちに再び光と影を取り戻したことになるわけだ、と「展覧会の絵」を観ながら思った。

※注:ハルトマンはドイツ名、ロシア名はガルトマン


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