●クリヤ・マコト
ミュージシャンたちの肖像
        --その6--

ッツバーグから楽園の町に戻ってしばらくしたある日、町で一番のライブハウス 「ジーグフェルズ」でスモークスタック・ライトニングのライブが行われた。ステージを終えてふと入り口の方に目をやると、巨大な影が立ちすくみじっとこちらを見て いる。たわわに実った瓜の実のような、無骨で頑強な手足をゆっくりと揺らしながら、ケヴィンがぼくの側にやってきておもむろに外へ連れ出した。店の前にはまだ人々がたむろしている。真っ黒な両腕がいきなりぼくの肩をぐっと押さえつけたかと思うと、大の男ケヴィンは大粒の涙を流して泣き出した。通りの連中や、誰よりもぼく自身が呆然と見つめる中ケヴィンは、「おまえはなんて馬鹿な奴なんだ。おまえの素晴らしい才能をこんな風に無駄にするなんて」と、繰り返し泣きながら訴え続けたのである。ぼくのスモークスタック・ライトニングでの楽しい活動は、こうしてケヴィンの愛と共に終わりを告げた。

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 Text :
Makoto Kuriya
 Photo :
Makoto Kuriya


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マカロニ・アンモナイト編集部