「勝見洋一の道楽三昧 第二回」
デジャ・ヴ、
都市の秘かな愉しみ。

    --その2--

琶湖の北の賤が岳を越えたところに、余呉という周囲四キロほどの湖がある。余呉湖といい、よごのうみ、と読む。
 個人的なことで恐縮だが、私は十代の頃によく余呉に行った。京都と東京を往復しているような家族の生活もあったし、親戚は金沢に多い。米原から金沢行に乗り換えれば敦賀の手前が余呉である。旅行のついでに二日ほどを湖の近くの民宿で過ごした。

 大津にいて、ふと余呉に行ってみたいと思った。そして湖畔の道を歩いた。道というものはただ歩くだけでセンチメンタリスムを刺激するときがある。まして 以前に来たことがあればなおさらだ。湖畔には天の羽衣伝説を継承する松が残っている。近くに白木という集落もあるから、敦賀に着いた新羅の民族が京都に上る時の道筋だったのかも知れない。そうか新羅の民族衣装が羽衣だったのかなどと若い私は新発見したような気になって興奮したものだ。そして、きっと新羅には余呉に似た地形があるに違いないと朝鮮半島の地図を眺めたが、いまだに見つけていない。

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 Text :
Yoichi Katsumi
 Photo :
Yoichi Katsumi


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マカロニ・アンモナイト編集部