●クリヤ・マコト
ミュージシャンたちの肖像
          −2
恐怖のレッドネック

        --その1--


・REDNEX/SEX & VIOLINS(1995)
 本文中で紹介した「レッドネックス」の
 アルバム。イカレてるけど、イカしてる。

年ほど前に『レッドネックス』というダンス・ミュージックのグループが流行った のをご存知だろうか。このグループはカントリー・アンド・ウェスタンをテクノ・ビー トでコミカルに歌っており、そのビデオを見ても、バンド名を見てもブラック・ユーモ アにあふれるイカレタ連中だ。
 レッドネックとはアメリカ中南部の人種差別主義者を指すスラングだ。この言葉の由来をぼくは正確に知らない(何しろ辞書を引いても載っていないので)。しかしレッドネックと呼ばれる連中は、日に焼けたり酔っぱらったりして赤ら顔をしていることが多いからではないかという話を聴いたことがある。いずれにしてもこういった輩は、山深い田舎町で古い因襲にがんじがらめになった、貧困層に属する白人が多い。周知の通り、あらゆる憎しみの原因として最も可能性の高いものは貧困なのである。

 『レッドネックス』はこのような人種差別主義者たちを茶化して笑い者にしており、 彼らのビデオ・クリップにはいかにもレッドネックという感じの田舎者に扮したメンバ ーが、酔っぱらって醜態を繰り広げる様が描かれている。曲によっては効果音の一部として銃声などが使われドキッとする場面もあり、全体にみなぎる諷刺ムードはなかなか痛快だ。もちろん日本では、何の予備知識も無しに彼らの音楽で笑える人はそう多くは ないだろう。一方これを見て痛快だと感じる人々は実際にレッドネックと呼ばれる連中を見たり聴いたりして知っており、あるいは中には冗談では済まされないような体験を味わっている者さえいるかもしれない。ぼくもまたレッドネックに関しては、身も凍るような体験をしたことのある一人だ。

... To be continued.  

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 Text :
Makoto Kuriya


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