ペルシア湾の出島
バーレーンでアラビア入門(後編)
-その2-

文・写真/河野朝子

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ーレーン島の東南の砂漠の真ん中には、林檎の木ではないが、孤高の木が立っていて、生命の木、と呼ばれている。実際この目で確認するまでは「砂漠に木が立ってるのがそんなに珍しいのかネ」と思っていたが、砂に車輪を取られながらやっとのことでたどり着いた荒地の真ん中に、一本の大木が、本当に周囲360度、見渡すかぎり樹木なんかまるで生えていないところに立っていて驚いた。このあたりは、アラビア半島で初めて石油が掘られたところだそうである。その木をバーレーン=エデンの園説と結びつける向きもあるらしいが、広野のパノラマで目を回しそうになっていたら、あながち突飛な空想とも思えなくなってきた。産油国に経済をもたらし、世界中の人々に便利を供給し、そのせいでアラブは列強にくみしかれ、そして争いごとの元となっている石油は、もしかするとやっぱり、禁断の木の実だったのかもしれない。
 土獏のど真ん中では無理だが、バーレーン島の北部には水分もあり、果樹園などもあるそうだ。水を求めてさまよい歩く砂漠から考えれば確かに楽園である。バーレーン以外でも、オイルダラー系の中東はこちらが想像しているより遥かに豊富に物があり、外国人労働者も多く、賑わっている。夕飯を食べに、バーレーン島の首都(と言っても唯一の繁華街、と呼んでいい)マナーマのアラブ料理店に行った。シェラスコのような回転する串に薄切りの羊肉を幾重にも重ねて刺した、ショワルマと呼ばれる肉料理が店先に下がっていて、現地の人々も訪れる気軽さと、外国人にも親切なメニューを持つ店である。


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