勝見洋一の贅沢三昧 第5回
「雄弁なる印画紙」  -その1-

 文・写真/勝見洋一

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 「キャフェの朝、パリ#1」

 


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 「キャフェの夜、パリ#1」

 

 

リの七区に古い写真を売る店がある。
 店といっても外観は役場のような素っ気なさと厳めしさ。その前を通っても誰もこ れが商店だとは思わないだろう。そのはずで行政区分や細密な不動産の地図などをあつかう半官半民の機関で、あくまで資料として年代別のパリの街の写真をあつかっているわけだ。だから店内は天井の書架まで各種のファイルが整然と整理されていて、公文書館か図書館のようだ。入り口のデスクで地区と年代を言えば、やがて別室にファイルが何冊か積まれ、店員監視のもとに欲しい写真を選ぶという寸法。  個人的なことだが、私は二十五年ほどまえに一時期をパリで過ごさなければならなくなった。それまで好きでも嫌いでもなかった都会である。フランス文化に耽溺したことも憧れたこともない。今でもそれは変わらないつもりだが、最近のパリのインターナショナルな変わりように義憤を感じるのだから、隠れパリ愛好家なのかもしれな い。それとも端的に歳をとっただけなのか。


... To be continued.  

 


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