マダム・キヨコの近代処世術 第2回
「イタリア式恋愛術を学ぶ」 -5-

文/印南紀世子メニヤン  写真/Eric Meignien

* 週刊フォトエッセイ*   




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それやこれやで大人には歩いているだけで充分におもしろい『中世の市』だが、子供はヒラヒラのスカートを着せてもやはりだめで、例によって「座りたい」「アイスクリームが食べたい」と始まってしまうのである。この際大人もどこかのカフェで冷たいビールでも、と思うが、どこも席はいっぱいだ。大人は諦めて子供にだけアイスクリームを買い与え、サン・レジェ広場の前の噴水の縁に座らせる。といっても、あたりは鎧兜の兵士が槍を構えてポーズを取ったり、杖の先にふくろうを刺した魔女が通りかかったり、油断がならないのである。我を忘れて眺めていると、夫が私の脇腹をつついてささやいた。
「君の娘たちがイタリア人に口説かれているよ」

1997年8月掲載



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「イタリア式恋愛術を学ぶ」

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マカロニ・アンモナイト編集部