マダム・キヨコの近代処世術 第3回
「戦士の休日、労働者の祝日」  -2-

 文・写真/印南紀世子メニヤン 

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1936年の夏はフランス人の記憶に残る季節となった。この年の五月、左翼連合による民衆戦線が政権を獲得すると、全国的に組織された工場労働者たちが各地で職場を占拠し、ストライキに入った。運動は六月七日に首相官邸であるパリのマティニョン宮で結ばれた協定をもって終結を見たが、これがフランスの労働者たちにもたらしたのは、年に二週間の有給休暇の権利と、一週四十時間の就業時間規定だった。
 そしてその夏、フランスの海や山は、手にしたばかりの有給休暇を利用して職場を離れた人々であふれかえった。それまで町の工房や都市近郊の工場で時を過ごすことしかできなかった彼らは、この夏初めて、年間所得を減らす恐れのない休暇を楽しむ喜びを得たのだ。


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