PIC-JAC 第5回
「わがまま」

 テーマ写真/ 蜷川実花  文/ nana

・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 


 

 

 もう15分過ぎた。この前も待たされた。だいたい待ち合わせは苦手なのだ。待ちぼうけを食わされて、なにか間違ったかしらと自己反省してしまうのが情けない。そしてドキドキしながら待ってしまう小心者の私。
こんなとき電話1本で言い訳されてはたまらない。だってデートなんだから。息を切らしてあわててきてくれなくちゃ・・・。
 携帯の電源をOFFにして、衝動的に電車に乗った。山手線を半分まわって上野で降りる。北へ向かう列車の表示がドラマみたい。このまま旅にでてしまおうか?
「旅にでます・・・。」
そんな演歌ちっくに別れるわけもなく、駅をでる。
なれない景色が旅行者の気分だ。坂をあがって木陰を歩く。
さて美術館に博物館、デートには申し分ないじゃない。
彼の携帯に電話する。
「今、どこ?」
「ごめん。どこにいるの?」
「上野」
「なに・・・?」
「パンダ見にきたの。これから動物園にいるね。」
30分もすれば、携帯が鳴るだろう。
どこにいようか? 猿山かな?
そうだ、アメ横でなんか買ってね。今日の罰金だもん。


... Go to next.  

 


Webmaster :
ammo@tokyo.fujifilm.co.jp
Copyright :
マカロニ・アンモナイト編集部