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80年代後半、当時のプーケットの空港はのどかなほったて小屋だった。そこから現地のガイドさんに連れられて夢のようなホテルにチェック・イン。初めての“南の島”に心は躍って仕方がない。
早速ホテルのメイン・ダイニングに出向いてメニューを繰れば、あるではないか!あのカレー!これだよ、これこれ!で注文し出てきたものを口に運んでみたら『チェンマイ』程の辛さはない。非激辛系にとってはそれでも充分辛くてたまらないのだろうが、唐辛子ジャンキーの私にとってはお子様向けカレー程度だ。「どこからでもかかってきなさい」と身構えていてチト転けたが、“ガイジン向けホテル”の宿命でかなりマイルドな仕上がりにになっていることはすぐに理解できた。それでもグッと味が濃い。うまかった。
昨今のタイ料理ブームのおかげで一度は食してみたことがある方も多いと思うが、我々日本人が一般的に認識している“タイカレー”はまずココナッツミルクがベースになっている。そこに、パックチー(香菜)の根、カー(しょうがの一種)、マックルー(コブミカン)の皮や葉、プリックタイ(ナマ胡椒)、レモングラス、にんにく、プリッキーヌー(小さいナマ唐辛子)、ホムデーン(小型赤タマネギ)、カピ(エビみそ)などなどなどを石のすり鉢(クロック)でペースト状にした物、を溶かし入れ、鶏肉やナス(タイでは硬い小さな物)、マックルーやレモングラスやカーなどのハーブ類を投入、ナンプラー(魚醤)で味を調え、最後にパックチーの葉を飾って出来上がりだ(それぞれ流儀はあるでしょうがだいたいこんなカンジ)。
それらの刺激や旨みが口の中で乱舞するのである。繊細なダイナミズムだ。
そのタイカレーのペーストは出来合いの物が市販されていて、タイの食堂でも使われている(日本でも入手が可能)。また、日本のインド系カレーは「次の日がウマイ」などと言われているが、タイのカレーはそんな悠長な物ではない。ペーストさえできあがっていればあとは中華料理のごとくパッパとできあがってしまう“気”の料理で、早く食べた方がよいとされている。炊いたご飯にかけて食べることが多いので便宜上“カレー”で通っているようだが、だいぶ意味は違うのだ。
●入門編 インフォメーション●
タイ語など挨拶しか(挨拶すら)知らん、というあなたにお薦めするのが、97年夏に改訂された『地球の歩き方・バンコク編 '98〜'99版/ダイヤモンド・ビッグ社/1440円(税別)』。人類が滅びるまで使える。あえて猿岩石な旅人達を切り捨てたような作りを意図しているのだろうか、前の版はこんなに高級ホテルにページは割かれていなかった、と思うが、内容は数ある『地球の歩き方』の中でも特に充実している。読ませる。
今回はバンコクは行かないんだよなぁ、という方にもきっと役に立つのが巻末の『旅の言葉・タイ語で話そう』である。レイアウトが大幅に変更されてカタカナによる強引な発音記号が見やすくなっている。「1時間いくら?」なんて言う表現もあって使える人には多分使える。てなレイアウト、実は私が担当させていただきました。
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