勝見洋一の贅沢三昧 第8回
「リトル・イタリーでお正月」
 -その1-

 文/勝見洋一   写真/中山慶太

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ンクーバーのアンジェロから電話がかかったのは去年の十二月の中頃だった。アンジェロは洋服の仕立て屋である。

 コマーシャル通りに小さな店と工房を持っているが、このあたりはイタリア移民の町でリトル・イタリー。

 最近は香港移民に押されて町の規模もぐっと小さくなったが、それでもイタリア料理店やイタリア食料品店では英語よりイタリア語のほうが幅を利かせている。その証拠にコマーシャル通りだって連中はヴイア・コメルシアーレと言うのだ。

 しかしここはニューヨークのように観光地に転身した町ではない。イタリア移民がカナダで静かに生活をするために住みついた町である。だからレストランに入ってもこれみよがしにカンツォ−ネが鳴り響いているわけではないし、町全体の外観からはイタリア色はあまりめだたない。ありふれたカナダの建物が並んだ普通の街だ。あの香港陣たちが傍若無人に香港の生活そのままを持ってきて、道路標識まで中国語を併記する運動を繰り広げている図々しさとは対照的だ。


.... To be continued.


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