勝見洋一の贅沢三昧 第8回
「リトル・イタリーでお正月」
 -その3-

 文/勝見洋一   写真/中山慶太

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ンクーバーには、一応、家がある。東京は賃貸の狭いマンション暮らしだが、バンクーバーには妻が勝手に終の棲家と決めてしまった家がある。妻は一年のうち四回も五回も行っているというのに、私は夏のバカンスと、あとせいぜい一回というところ。これでは正直言ってつまらない。それなのに友達はどんどんできる。みんな底無しにいいやつばかりだ。

 行くと決めたら、無論、妻も行く。それならあたしもと私の母親まで意気揚々とついてきた。そしてとんでもない日々が待っていた。

 九時間ほどのフライトでお昼ごろバンクーバーに着いて、まず異変は私に起こった。入国手続きのカウンターまで歩きながら、今まで味わったことのない腰の重さに不安になった。重いというより重苦しい。飛行機の中での寝かたに間題があったのだろうか。決して軽からざる体重がずしりずしりと骨盤にのしかかり、右のお尻の頂点には鈍痛まである。

 おかしいなあと思いながら久しぶりの家に辿り着き、椅子にどっかと座って、母が外国到着時特有のハイ状態になっているのを横目で見ていると、さっそくアンジェロから電話がかかった。


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