ワールドカップついでにパリに行くなら
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文・写真/河野朝子

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術館めぐりのメインイヴェントはやはりオルセー。
「教科書で見たぞ!」の目白押しである。ここについては私がとやかく言うまでもない。現物を見るというのは現物の"気"に触れるということなのね、というのを改めて確認して欲しい。

 ポンピドーセンターの国立近代美術館は"近代"というだけのことはあってポップで楽しい。マチスやミロは"絵画"というより"イラスト"。私はこの建物の外観の奇抜さに気を取られていて、中に何があるのか気がついたのが遅かった。この美術館は展示物が思った以上に充実していて、しかも入れ替えが頻繁らしいので、パリに行くたびにちゃんと見ておけばよかったと後悔している。
 石造りの街並みに突如表れる原色のチューブ群はやはり何度見てもキテレツだ。昔、パンクバンド、ストラングラーズのジャンジャック・バーネルが、ソロ・アルバムのジャケットにこの建物を採用してからずっとあこがれていたので、本物を見たときにはそれだけで感激して満足してしまったのである。

 その、ロンドンの経済大学卒、フランス系移民、ジャンジャックが20年近く前に夢見た(?)ヨーロッパ統一も新貨幣ユーロの登場で現実のものになろうとしている。
 あれだけ自己主張が強い人達がまとまって何かやろうとしているのを見るとなんだか不思議なカンジがするのだけれど、イギリス以外地続きのヨーロッパの歴史と"主張するものこそ信じる"風土が彼ら独自の連帯感を生み出しているのかもしれない。
 そんなわけで、フランスで何かあったら黙っていないで何語ででもいいから主張しよう。どうせあなたの下手くそなフランス語なんて聞いちゃくれないし、通じやしないのだから、こいつは何か執拗に言っているぞ、と思わせる方が重要なのである。"押しの強さ"が必要なのである。


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