バーチャルワインバー
「天孔雀亭(amano‐kujaku‐tei)」
  --過ぎゆく夏の日にはシャンパンを(その2)--

 文・写真/中山慶太

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シャンパンの故郷、オーヴィレーユの村にて

 


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『今週のワイン』
“ペリエ”の名を持つシャンパンは数あれど
(実はルーツは同じ家系)、『ジョセフ・
ペリエ』は常に期待を裏切らない。
『キュヴェ・ロイヤル(無年号)』は英国王室
ゆかりの一本、ラベルには王族の名が記されて
いる。ブリオッシュの香り豊かな一本。

礼、どうも理屈っぽい話になってしまいました。そうですね、こんな話があります。ある年の秋、シャンパーニュ地方を訪れた日本人が、驚くほど豊かな香りを放つ銘柄にめぐり合った。狂喜した彼は1ダースほど買い込んで、クルマのトランクに入れた。値段は期待するほど安くはなかったそうですが……。彼はそのままパリに戻り、友人をドゴールの飛行場まで送ると南のブルゴーニュからリヨンヘ下り、次にアルプスを越えてイタリアの友人のもとに向かった。もちろん、シャンパンは彼の背中のちょっと後ろで揺られていたわけです。
 さて、最初は焼きたてのブリオッシュの香りが強かったそのシャンパンは、2日目にパリに着いた時には、“パリで飲む普通のシャンパンの香り”になっていた。不思議に思った彼は、毎晩ホテルの部屋で一本ずつ栓を抜いていった。ブルゴーニュでも、リヨンでも、そしてサヴォアでも、シャンパンは少しずつ変化していく。そして12日目、イタリアの友人と杯を交わした最後の一本は、彼が日本で良く知った味わい、上品で繊細ではあるけれども、どこか弱々しい香りを放っていたそうです。
 よくある噂話かもしれません。でも、シャンパンがとてもデリケートで壊れやすいことはたしかです。同じ銘柄をあちこちの酒販店で買い求めて一度に抜栓してみれば、その香りがけっこう違うことを確認できるでしょう。これはシャンパンに限ったことではありませんが、ある種のシャンパンは一般的なワインよりもその差が顕著に出るのです。問題はワインの輸送と保管方法に違いないのですが、まあこの件は機会をあらためてお話しましょう。


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