バーチャルワインバー
「天孔雀亭(amano‐kujaku‐tei)」
  --過ぎゆく夏の日にはシャンパンを(その8)--

 文・写真/中山慶太

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パシャンパーニュ地方の丘陵。
エペルネの南東、コート・デ・ブランにて。

 


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『今週のワイン』
シャンパンに軟弱なイメージを抱く向きは
『ボランジェ』を試されたい。
辛口でフルボディ、優雅だが節度のある硬派の
シャンパンは、英国で特に人気が高いという。
これはもっともスタンダードな『スペシャル・
キュヴェ(無年号)』。

々とシャンパンについておしゃべりをしてきましたが、そろそろ巷の風も冷たく、赤ワインが恋しい季節になってきました。そこで最後は、シャンパン選びのポイントについてお話しましょう。
 シャンパンが料理を選ばないことはよく知られています。なかでもキャヴィアとのコンビは有名ですが、日本人にとってこの組み合わせが最上と呼べるかどうか、疑問なしとしません。あえて選ぶなら、『クリュッグ』のようにオーク樽の香りを効かせたもの。それもブラン・ド・ブランをオーダーしたいところですが、この両者をテーブルのメインに据えると財布へのダメージが心配です。
 オードブルや魚介料理とは格別な相性を見せるシャンパンですが、オムレツなどの卵料理は避けた方が無難でしょう。肉料理にも万能とはいえません。相性は悪くないのですが、絶妙の組み合わせを見つけにくいのです。やはりシャンパンは、食事の最初の一杯がふさわしい。コースの最初から最後までシャンパンで通すという手は、少人数のテーブルでワイン選びに収拾がつかない時、メインが肉と魚に分かれてしまった時などの緊急避難措置としておく方が無難でしょう。
 では、膨大なリストの中からどれを選ぶべきか。これはそれぞれのブランドのスタイルを知ることが重要です。このスタイルを知りたければ、まずは著名なメゾンのノンヴィンテージ(無年号:正確にはノンミレジメ)をお試しになることをおすすめします。 メゾンでは無年号シャンパンのスタイルを一定に保つため、大量のリザーブワインをストックするなど、たいへんな努力をしています。あるメゾンでは無年号シャンパンのアサンブラージュ(ブレンド)に際して、時に百種類以上のベースワインとリザーブワインを配合することがあるそうです。毎年作柄の異なる葡萄で、変わらぬ特長を持ったシャンパンを大量に造り続けることがどれほど困難な作業か、想像できるでしょうか。ここでは誤解を恐れずに“シャンパンの真髄は無年号にある”と断言してしまいましょう。そこにはメゾンの醸造技術者たちが、何世紀にもわたって築き上げてきたスタイルがあります。そうして“お気に入り”を見つけたら、浮気をせずに飲み続けるのも良いでしょう。そんな我が儘が許されるワインは、世界広しといえども、シャンパンだけかもしれません。

次回はイタリアの至宝“王のワイン、ワインの王”バローロ編をお送りします。


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今月は葡萄の枝のワインオープナー。フランスの銘醸地、ブルゴーニュの古い葡萄の樹で作られています。
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