南イタリアシリーズ第2弾
「ナポリで歌ってソレントで食べて」
  -1.帰れ、ソレントへ-

文・写真/河野朝子

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港から見上げたソレントの街。

んなワケで、前回のシチリア編に引き続き、今度はナポリ界隈である。

 イタリア半島を足の形に例える慣例に従えば、足首から指4本分くらい上のスネにナポリやソレントは位置する。沖には『青の洞窟』で有名なカプリ島が浮かんでいる。

 お調子者の私は南イタリア気分を盛り上げようと、パバロッティの名曲ベスト盤をテープにダビングしてイタリアへと赴いた。ルチアーノ・パバロッティと言えば当然イタリア人、世界三大テノールの中でも一番"ずるい"天性の歌声の持ち主だ。日本でパバロッティばっかり1時間も聴いていると体調によってはtoo much、enough、イタリア語で言うところの「basta(もう充分です)」なのだが、現地を走る車の中でジャカジャカ聴いているとやはりシックリと空気にマッチし、しっかり腹まで空いてくる。
 ソレントに行くんだから『帰れ、ソレントへ』は必携だろう、とテープに入れておいたかの名曲がかかる中、アマルフィから断崖に沿ったきついカーブを約1時間、車はキッチリとソレント近郊に入った。「トールナーア、スリエーーーント、ファメカンパーー!」。"ソレント"は現地の訛りで言うと『Surriento』である。その"スリエント"は今ではすっかり観光化され、ローマよりもはるかに英語が通じる街だったりする。でもローマよりはるかに食べる物がおいしかったりもする、私の知る限り、イタリアで一番。
 ある日、ナポリから宿のあるソレントへ帰るのに高速艇を使ってみた。船がソレントへ近づくと、ちょっとした断崖の上に可愛らしく連なる街並みが見えてくる。波のうねりは3拍子、そのまま『帰れ、ソレントへ』の前奏のようである。夏の夕方、私はソレントに帰った。


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