バーチャルワインバー
「天孔雀亭(amano‐kujaku‐tei)」
  --『真冬に白ワイン(1)』--

 文・写真/中山慶太

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今年もよろしくお願いします。


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『今週のワイン』
ソーテルヌといえば、かの有名なイケム
(Ch.d'Yquem)が真っ先に想起されようが、
きわめて高価であり、しかも熟成には気の遠く
なるような歳月が必要という。預金残高も忍耐も
足りない、という向きには『シャトー・ド・
ファルグCh.de Furgues』をお勧めしよう。
シャトーの所有者はイケムと同じリュル=
サリュス 侯爵家で、若い時期には兄貴分に
酷似した酒質を持つ。価格はイケムの半額を
やや下回るが、年平均1000ケース(!)と
いう生産量はイケムの五分の一以下に過ぎない
ので、古酒を探すには根気が必要だ。
写真はソーテルヌの当たり年、1983年産。

らっしゃいませ。新年早々お越しいただき、ありがとうございます。年末年始はどんなワインを召し上がりましたか? おや、年末は忘年会でビール漬け、年始はお屠蘇と日本酒でしたか。いやはや、それはなんとも。
 さて。今日はお正月に相応しい白ワインをお出ししましょう。別にお節料理に合わせるわけではありませんが、おめでたい気分にはこんな酒、という趣向です。
 最初はこちらをお注ぎしましょう。おやおや、白というより金色ですね。でも、この黄金色ときわめつけの芳香は、お正月にぴったりでしょう? こんなワインは滅多にない……ええ、お察しのとおりボルドーの甘口白ワイン『ソーテルヌSauternes』です。
 最上のソーテルヌを、世界いち高貴なワインとする愛好家はすくなくありません。にもかかわらず、実際にテーブルを飾ることも滅多にない。“幻の銘酒”というほど稀少でもなければ、けっして手が届かぬほど高価でもないのですが。
 世を挙げてのワインブームとはいっても、人気の中心は辛口の赤のようです。ワイン好きには、甘口ワインというだけで敬遠するひともいます。これは一般的な料理との相性が原因かもしれません。前菜は軽めの白、主菜に重い赤、というスタイルは(メインディッシュが魚介でない限り)わかりやすく、無理がありません。
 ところが甘口の酒となると、料理を選ぶのがひと苦労です。ソーテルヌとフォアグラの相性はよく知られていますが、ディナーをそれで通すのも難儀ですね。ソーテルヌの黄金色がもっとも輝く瞬間は、満ちたりたディナーの後でしょうか。酒神バッカスの恵みであるネクタールは、ディジェスティブ(食後の一杯)にこそ相応しいのです。当世はワインバーが流行りといいますが、これをグラスで供する店が少ないのは残念なことです。


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