「サイゴン、アオザイ物語」
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文・写真/河野朝子

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ェトナムの娘達の間で流行っていたのは手袋である。アオザイの子は短いの、半袖の人は長いの、と、サテン風化繊のカラフルな手袋をして自転車やスクーターで走っている娘のなんとたくさんいたことか。無論、寒さ対策ではない。これは日に焼けないための努力なのである。庇の大きな帽子も流行していた。アオザイにこの帽子が何ともミスマッチ、だったら編み笠にすればいいじゃん、と思うが、そんなオバサン臭いもんはイヤ、と思われているのかもしれない。そして、それに手袋という組み合わせが観光客にとっては『物珍しい』。
 ルーズソックスも変だ。男の子のズルズル過ぎるズボンも変だ。昔タイで超巨大腕時計が流行ってたこともあった。肩ヒモまる出しキャミソールも、見せる用のヒモにしているならまだ可愛いが、イタリアでは普通の白の化繊の、毛玉とかできちゃって灰色に汚れたヒモでも全然構っちゃない娘の群が街を闊歩していた。世界中の若者達は、客観的に見るとへんてこりんなことも、集団でやってしまって自分たちの当然にするのが得意なようである。

 さて、タイでもそうだが、あちらでは、ヒトは男でも女でも色が白い方がワンランク上と見なされるのである。さすがに男はシャラくさくって帽子だの手袋だのやっちゃられないし、女も亭主を捕まえてしまえばだいたいお構いなしだ。しかし、少しでも明るい未来を獲得しようとする(?)娘達は必死に日射しから身を守っている。日焼けサロンでガンクロにパール化粧の日本の中高生や、何がなんでも日焼けがステータスなヨーロッパの対極にあるわけで、要するに互いに自分たちの置かれた環境と反対の結果を求めているところが人間の面白さかもしれない。


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