世界マンボ紀行

文・写真提供/パラダイス山元

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60.マンボ解禁・情熱の成人式(その2)
 その日は、いつ湾岸戦争が勃発するかということで朝からニュースや新聞は派手にその成り行きを伝えていた。そして私は、一週間前から熱が一向に下がらない風邪をひきずっての最悪のコンディション。朝9時頃会場に到着してみると、ホールの入口に二、三十人程の行列ができている。なんと、前売券は完売。当日券を求めての列ができているという。なんたるありさま。バンドのメンバーにも気合いが入ってきた。噂とは恐ろしいもので、ほんの二カ月前の学園祭ライブでの反響が、噂が噂をよびこんなことになってしまったらしいのだ。「マンボ・ボンド」で幕を開けたステージは、怒濤の勢いでマンボ連射攻撃。観客のなかには絶叫するものあり、私の「アーーーーーッ、うっ!」にあわせて一緒に唸る若者の姿ありと、実に激しい盛りあがりをみせていた矢先、ステージの前からさささっとスタッフが紙に何かを書いて差し出すのである。こんなめちゃめちゃ盛りあがっている時に一体なんだ!と、ちょっと腹立たしくも、よく目を凝らしてみるとそこには「湾岸戦争勃発、対イラク攻撃開始」と書かれていた。次の曲の前に、「ついに戦争が始まったみたいです!」と私が伝えると、観客は一斉に「エーーーーーッ!」と言って静まり返ってしまった。すかさずアドリブで「オマエ達マンボなんかで踊ってる場合かー!」と切り出すと「ウォーッ!!!」という地を揺るがすような観客のレスポンス。あまりにぴったりのタイミングで新曲「マンボ爆弾」を演奏する東京パノラママンボボーイズなのであった。


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