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マカロニアンモナイト

ファインダーから覗いた「World Cup」
アンモ的ワ−ルドカップ、もうひとつのピッチ −前編−


文・写真/因幡也寸人 取材協力・写真提供/赤木真二(FAR EAST PRESS)

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知られざるスポーツフォトグラファーの世界 −1−


 お会いしたのは、スポーツフォトグラファーとして20年以上のキャリアを持つ赤木真二さん。今回のワールドカップ取材で6大会連続となるベテラン中のベテランである。サッカー好きなら、どこかで必ずといっていいほど赤木さんの写真を目にしているはず。事実、'98年のフランス大会では、現地から送った写真が雑誌『Number』の表紙を飾っている。対アルゼンチン戦での中田英寿に迫った一枚であった。憶えている人も多いだろう。



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●赤木真二(FAR EAST PRESS)
スポーツフォトグラファー
1957年・東京、西東京市生れ。
中学、高校、大学時代とサッカーにのめり込む。大学卒業後、大手コンピュータ会社に就職するも2年で退社。趣味だったカメラを職業にするべく半年間の準備期間の後、中南米に単独サッカー取材に出かける。そのままスペインで開催されたワールドカップに乗り込んで以来、今回で6大会連続で取材する。記録としてのサッカー映像にとどまらないアートとしてのスポーツ写真に挑戦し続ける、日本を代表する精鋭スポーツフォトグラファー。
現在、雑誌『Number』(文藝春秋)などで広く活躍中。

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4年前、この表紙を記憶している人も多いでしょう。実は私も手許に大事に保存してあります。
※撮影/赤木真二
『Number』(文藝春秋・刊)




 動きを伝えるTV映像と違い、スチール写真は一枚で状況をすべて伝えなくてはならない。さらに美しさやダイナミズムなど写真ならではのクリエイティブな要素も求められる。一枚の写真にどれだけのイメージを伝え、自己表現できるかがプロのプロたる所以である。

 同じ試合を狙っていてもカメラマンによって仕上がってくる作品は違う。そこにカメラマンの個性がある。

 そもそもスポーツの現場には、一般的に新聞社や雑誌社の社員か契約という立場のカメラマンが立つ事が多い。その昔、西田敏行演じる『池中玄太80キロ』(NTV)というちょっとオデブな人情派カメラマンが報道の現場で活躍するというドラマがあったが、それを思い出してもらえると分かりやすいかもしれない。赤木さんの場合どの社にも属さない、いわゆるフリーランスという立場である。



過去ワールドカップのプレス証の歴史。まさにお宝以外の何ものでもない。



 動きを伝えるTV映像と違い、スチール写真は一枚で状況をすべて伝えなくてはなら スポーツ取材の場合、「報道=プレス」という目的で許可証(プレスパス)が発行される。イベントが大きくなるにつれプレスチェックが厳しくなっていくのが一般的で、オリンピックやワールドカップなどの国際大会では、パスを手にいれるだけでも大変な作業となる。今回のワールドカップの場合、 FIFA (国際サッカー連盟)から各国にプレスパスの割当てがなされ、それぞれの協会で各メディアに振り分けられる。

 「そうなんです。今回は地元開催ですから日本に約80枚の割当てがあったと聞いてます。その内、40枚くらいが新聞社、残りの半分を雑誌社やフォトエージェントと我々みたいなインディペンデントと呼ばれるフリーで分けているはずです」

 あっさりという赤木さんだが、“数少ないパスを持っている”ことが素直に凄いと思ってしまった。




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