マカロニアンモナイト
webマガジン「マカロニ・アンモナイト」月刊特集
和−Time Rhythm
〜和時計の暮らし〜 前編
文・写真/しばやまみゆき  Flash時計/Rey.Hori
前編目次 1 2 3 4 5 2002年11月掲載


§日本の時間§


 日本で現在のような時刻制度を用いるようになったのは、1872年(明治5年)11月9日の太政官布告によってだ。

「もう1ヶ月もないけれど12月3日を新暦の明治6年1月1日にするよ、『太陽暦』に基づいて1年は365日、1日は24時間、何時何分という時刻表示にするよ」という、いきなりかつ大胆なものだ。
 翌年の暦だってもう用意していただろうにねぇ...。

 この強引な改暦には明治新政府の深刻な財政問題があったといわれている。もし従来の暦のままだと、明治6年は閏月を入れた13ヶ月分の給与を役人たちに支払わなくてはならない。おまけに今なら明治5年の12月はたった2日間だけになるから、この月の給与も支払わずにすむゾというおいしいアイデアだったらしい...。

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ムーブメントは外国製、外装は日本の欄間職人が彫り上げた、明治初期の置き時計
(大名時計博物館所蔵)

太陽暦』は太陽の動きに合わせて1年の長さを365日とし、実際の太陽の周期との誤差を閏年で調整する。1日は24時間に等分され、時間は一定の間隔で計られるようになった。
これを“定時法”という。

 これに対して、今や旧暦となってしまった『太陽太陰暦』は月の動きに合わせて1カ月の長さを29日と30日とに決め、1年=12ヶ月分の長さと実際の太陽の周期との誤差を調整するため、約3年に1度「閏月(うるうづき)」を設けて1年を13ヶ月としていた。


 とてもややこしいようだけれど、毎日同じように日が昇り、落ちていくようにみえる太陽を基準にするより、29.5日くらいの周期で満ち欠けをみせる月を基準にする方がわかりやすくて合理的だったのだろう。

 そして日のあるうちが昼で、暮れれば夜。昼夜それぞれ6等分して一刻(いっとき)として時間を計る。
これを“不定時法”という。



 当然、夏の昼間より、冬の昼間は短くなるから、その間隔も変化する。夏至の頃の昼の一刻(いっとき)は約2時間40分、冬至の頃だと約1時間50分。


同じ夏至でも夜の一刻(いっとき)は約1時間20分で、昼と夜では倍も違う。
時給制で働くにはイヤだなぁ...。



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