マカロニアンモナイト
webマガジン「マカロニアンモナイト」特集
郵便切手のすべて
〜原始メールにアートを乗せて〜【前編】
文・写真/河野朝子
前編目次 1 2 3 4
2003年11月掲載

■1■ 気になる切手が続々登場

 さて、切手の模倣の続きだが、切手の廻りのギザギザと言うか丸い小さな穴。アレは軽い気持ちで真似なんかできないもんだ、と今さらながらあらためて思い知らされた前回の特集。最初、キリでなるべく等間隔になるように穴を開けたりしてみたのだが見事に失敗し、最終的にあきらめてただの四角にしちゃったのだ。

 この穴は『穿孔(せんこう)』と言って郵便切手や印紙をただ切りやすくするためだけのものではなく偽造防止にも役立っている。印刷のプロがやろうと思えば真似できるのかもしれないが、ハンパなコストじゃできない技術だから悪人だってメンドくさいだろうな。

 で、切手もどきを作るに当たって自分の切手帳をじっくり眺めてみた、って実はわたくし、切手帳なる物を所有しておって、気に入った切手は1枚ずつだけど保存してあるのだ。記念切手の発売日に郵便局に並ぶほどのマニアではないが、郵便局に行くと「なんかいいのないかなぁ」と思ってしまう。

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私の切手帳ざんすー。蒐集家が見たらひっくり返るテキトーぶり。

 電子メールの発達により『原始メール』と呼ばれて久しい郵便の手紙だけれど、そういえば最近その原始メールにきれいなデザイン切手(普通切手じゃない切手)を貼ってくる人が増えたような気がする。

 年末と言えば、サンタクロースでもお馴染みパラダイス山元さんから仕事上の資料を送っていただいたことがあるのだが、さすがやっぱし山元さん! 犬とか鳥とかのシール切手、キャラクター切手、北海道のサンタクロース切手などなど、これでもかと封筒全面を覆い尽くすようにマンボな切手が貼ってあって感心したものだ。

 山元さんはきっと切手好きに違いない(予想)けれど、今まで切手に興味なんか無さそうだった人達が送ってくるハガキとか封書にも普通切手以外の切手を貼られていることがこの10年くらいですごく増えたと思う。私の切手帳もその時期からのものがほとんどだ*

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日本郵政公社飯倉分館。ロシア大使館のお向かいさんに位置するこの建物は昭和6年(1931年)に東京貯金支局庁舎として完成した由緒ある建物で、切手マニアのみならず建築マニアの間でも有名らしい。ここで日本の切手がデザインされているんである。

 ミッフィー(うさこ)ちゃんの絵本でお馴染み、ディック・ブルーナのイラストが『ふみの日』の切手になったちょっと前あたり、今から10年ほど前くらいから、なんか日本の切手が変わってきたからだと思うのですが、と伝えたら、日本郵政公社で切手のデザインを行ってる当の皆さんもやはりその頃から意識的にデザインを変えた、とおっしゃった。うーん、やはりそうだったのか。

 イギリスで世界最初の切手が発行されたのが1840年、それから遅れること31年後の明治4年日本で最初の切手が発行されて**約120年、情報通信事情の変化とともに日本の切手もみんながよりいっそう使いたくなるものに変化を遂げたんだね。

 ところでそのキレイだったり可愛かったりする切手だが、郵便切手の80円とか50円て額面は小さな四角い紙そのものの値段ではなくあくまでも『配送料』、つまり『送り賃』である。切手をコレクションするってことは配送料を払ったのに使わないでとっとくって意味でもあるのに、世界中に切手コレクターがゴマンといて珍しい切手はビックリ高値で取り引きされている。日本の切手もその美しさ、印刷技術の高さから世界のコレクターの注目の的だ。そんな世界に誇る日本の小さな芸術品は一体どういうルートで考案、企画され、印刷を経て私たちの手に届いているのかな?


*注1:もっと実を言うとわたくし、子供の頃にも切手帳を持っており、近所の切手商に通ったり切手のカタログを眺めては『月に雁』とか『見返り美人』などの有名高額稀少切手に憧れたりしておったんである。だからこの取材でのドキドキ興奮状態と言ったら尋常ではなかったため、一部(全部?)冷静さをすっかり欠く記述となっております。どうかご容赦くださいまし。

**注2:日本の切手の歴史
 逓信総合博物館(ていぱーく)のサイトに掲載されている日本郵便切手のうつりかわりがとても詳しいので興味がある人はそちらをご覧ください。
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※協力:日本郵政公社


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