●アンモ流・鍋奉行心得《其ノ七》 =タイミングを逃した具材は自分で処理すべし=
いくら名鍋奉行であっても“おいしいタイミングを逃してしまった具”というのは出てきてしまうものである。 「食べ頃ですよ」と声をかけたり、鍋から遠い人に取ってあげたりという努力をしても、こればかりは仕方のないことなのだ。 しかし、具を追加する時などに、煮えすぎて変色した春菊や、テロテロになったエノキ、固くなった貝など、だれも手をつけようとしない具たちをそのままにしておくわけにはいかない。 自分がおいしく食べることより、みんなにおいしく食べてもらうことが鍋奉行の役目。煮えすぎた具は、さりげなく自分の器にうつすようにしよう。 もちろんそのままゴミ箱行き・・なんてもったいないことはしてはならない。みんなの楽しそうな笑顔を肴に全部残さずいただくこと。
●アンモ流・鍋奉行心得《其ノ八》 =会話が途切れた時は、話題を提供すべし=
鍋の具を追加した時や、新たに注文した飲み物を待っている時などに、みんなの会話が途切れることがある。 そのような時は、流行りの商品や人気のドラマ・映画の話などで場を盛り上げるようにしよう。 ただし、自分の知識をひけらかすのではなく、あくまで場に話題を提供する程度におさえること。 鍋に関する軽いウンチク話をしてもよいのだが、宗教と政治に関する話は避けたほうが無難である。
●アンモ流・鍋奉行心得《其ノ九》 =雑炊作りは最大の見せ場であると心得よ=
具のうま味をたっぷり含んだ出汁で作る雑炊作りは、鍋奉行のもっとも重要な役目であり、見せ場といっても過言ではない。 雑炊ではなく、うどんや中華麺にする場合もあるが、どちらにするかはみんなに相談して決めること。大人数で鍋がいくつかある場合には、雑炊と麺類を半々にするというのもよい手だ。 雑炊にするか麺類にするかが決まったところで、いよいよ鍋奉行の出番である。鍋奉行たるもの、どちらの場合でも手際よく、おいしく作り上げなくてはならない。 雑炊については、左部分に「おいしい雑炊の作りかた」を写真とともに紹介しているので、そちらを参考にしてほしい。 麺類の時は、次のように作ればよいだろう。 1)鍋に残ってる具をすべて取り、 出汁を追加してフタを閉め、火を強める ※出汁の量は、鍋のなかで 麺が泳ぐくらいを目安に追加する ↓↓↓ 2)出汁が沸騰したら、フタを開け、 麺をほぐしながら入れる ※白菜やキノコ類、ニンジンなど、 手をつけていない具がある場合には それを少し入れてもよい。 その場合は、麺より先に具を入れ、 もう一度、沸騰するまで待ってから 麺を入れるように。 ↓↓↓ 3)再沸騰したら火を弱め、 麺と汁をバランスよく取り分ける ※薬味は好き嫌いがあるので 各自で入れてもらうようにする。 ↓↓↓ 4)全員分を取り分けおわったら火を消す 雑炊や麺をいかにスマートに、よりおいしく作るかは、鍋奉行の沽券にかかわり、評価にも直結するので、心して作ること。
鍋を食べ終わったからといって気を抜いてはいけない。 鍋奉行たるもの、店を出る時はいちばん最後に、鍋の火はちゃんと消えているか、コートやカバン・財布などの忘れ物はないかなど、きちんと確かめてから出るようにしたい。 トイレに入ってる人がいるのを忘れて、他のみんなでさっさと二次会に行ってしまった・・ということのないよう、モノだけではなくヒトも忘れないように気をつけて。 店を出る時には、お店の人に「ごちそうさま」「おいしかったです」と笑顔で一言かけること。
※後編は「調理器具としての鍋のルーツは?」「日本人はいつ頃から鍋を食べるようになったのか?」など“鍋”そのものについて解りやすく解説しますのでお楽しみに!
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