マカロニアンモナイト あじさいの写真

月刊特集初夏の鎌倉・デジカメ散歩
花の寺・夕日の浜、スナップ写真のススメ【前編】

文/諸澤 洵、マカロニアンモナイト編集部  写真/諸澤 洵
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2004年5月掲載


*3* 梅雨時のアジサイを写す


 さて、そろそろアジサイの撮影法についてお話ししましょう。

 当たり前のことのようですが、写真は「主要被写体と背景」の2つの要素から成り立っています。
 今回の場合「主要被写体」がアジサイであることはいうまでもありません。

 しかしだからといって、右の1枚目の作例写真のように、いわゆる「日の丸構図の写真」(日の丸のように、真ん中に主要被写体がある写真)になってはあまり面白くありません。

 日の丸構図の写真がすべていけないというわけではないですよ。だったら「日の丸弁当」の梅干の位置も真ん中ではいけないという、まことに哲学的な問題になってしまいますから。
 ただこれでは構図的にいって、あまりに工夫がなさすぎるってことなのです。


あじさいと山門
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日の丸構図を避けるためにアジサイを右端に配置し、バックに東慶寺の山門を配置した例。まだ開門前の写真です。(2003年6月・北鎌倉 東慶寺)


あじさい
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普通のアジサイ。いわゆる「日の丸構図の写真」。(2002年6月・北鎌倉 東慶寺)






奥行き感の演出
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同じアジサイを写すのでも、違う種類のアジサイを背景に置くことで奥行き感を演出した例。手前が青いガクアジサイ、奥がピンクのアジサイ。(2002年6月・北鎌倉 東慶寺)

 あと背景の方も大事ですね。
 せっかく主要被写体であるアジサイがきれいでも、バックに汚いゴミ箱が写っていたりすれば、もうそれだけでせっかくの写真が台無しになってしまいます。

 写真を写す事に慣れていない人は、写真を写すとき、どうしてもメインの被写体にばかり目が行きがちですから、ここでちょっと背景の方にも目を配る余裕を持ってください。
 「写真は引き算」という有名な言葉があります。「余計なものは排除する」ってことですね。

 そんなわけで少し構図と背景に気を配ってみましょう。

 せっかくお寺アジサイを写しにいくのですから、まずはお寺への参道、入り口、山門、本堂などをアジサイと組み合わせて写しておきたいですね。
 また、背景にアジサイとは別な花を配置するという方法もあります。逆に手前に別な花を置いて、背景にアジサイを持ってきてもいいかもしれません。
 同じアジサイを写す場合でも、違う種類のアジサイを背景に置くことで、奥行き感を演出できます。

 そのほかにも、通路を大きく入れてみるとか、その通路に傘を差した観光客を入れてみることで梅雨時の季節感を出すというのも、面白いでしょう

通路とあじさい
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通路を大きく入れ、その通路に傘を差した観光客を入れることで梅雨時の季節感を演出してみた例。(2003年6月・北鎌倉 東慶寺)


 あるいは、あえて車の走っている道路と組み合わせてみるのも手。「お寺の中じゃなくても咲いているんだあ」ということが、まだ鎌倉を訪れたことのない人にも伝わります。
 この場合、ちょっとローアングルから写してみるのも面白い試みだと思います。

 ・・・と、えらそーに書いているわりには「作例写真の出来がイマイチだなあ」という声が、たった今私の耳に届いてきたような気がしました。 いいえ。傑作写真を写すのは私ではありません。それはあなたです!  ということでうまく逃げ切ろうと思います(笑)。

ポイント! おっと。ここで大事な情報を!

 アジサイ寺として有名な北鎌倉の明月院のアジサイは、たいてい7月の第1土日が終わると剪定(せんてい)されてしまいます。つまりアジサイの花はバッサリと切られてなくなってしまいます。この剪定作業を行わないと、翌年またきれいなアジサイの花が咲かないからです。
 ですから今年
(2004年)でいうと7月4日の日曜までしかアジサイを楽しむことができないでしょう。ご注意ください!。(他のお寺も、だいたい7月中旬までには剪定作業が行われるはずです)

あじさいと観光客
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これも日の丸構図を避けるためにアジサイを右端に配置し、バックに明月院の入り口と入り口に向かう観光客を入れてみた例。(2003年6月・北鎌倉 明月院入り口)





街道沿いのあじさい
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鎌倉街道と、その街道沿いに咲くアジサイを写してみた例。雨が降ってないのと、通行人がいないのがやや物足りない。(2003年6月・北鎌倉)





あじさいマクロ撮影
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ガクアジサイを右手前に大きく配置し、マクロ気味に撮影することでバックのアジサイをボカしてみた例。(2001年6月・北鎌倉 東慶寺)
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