webマガジン「マカロニアンモナイト」月刊特集
マカロニアンモナイト
〜アナログに楽しむデジタル一眼〜
『モノクローム・タイ紀行』タイ歴代王朝を巡る旅編

文・写真/青木栄次郎

前編目次23【4】→後編・タイ北部編へ 2006年7月掲載
[4]戦渦の爪痕残る、アユタヤ
アユタヤの栄枯盛衰トーンカーブの調整タイ豆知識(4)タイと野良犬



ビルマ(現ミャンマー)との戦争により破壊されたワット・プラ・マハタートの遺跡。郡列する仏像の頭部は破壊され、中にあった金塊をすべて略奪された。かつての華やかな王朝の姿はそこにはなく、痛々しい戦渦の様子を現在に残す。
(撮影地:アユタヤ遺跡公園/ワット・プラ・マハタート)

FinePix S3 Pro 17-55mm F2.8  PLフィルター ISO400 F8 1/250sec
CCD-RAW(フィルムシミュレーション:Velvia調変換)


●アユタヤの栄枯盛衰

衰退するスコータイ王朝に代わり1350年、新しいタイの統一国家、アユタヤ王朝が誕生する。バンコクからは北へ約76km、直線距離で言えば東京−箱根間程度の好立地も幸いし、バンコクから日帰りで楽しめる観光スポットとして人気が高い。1991年、ユネスコの世界文化遺産に指定されたのを機に遺跡のライトアップもはじまり、夕方からのツアーも楽しめるようになった(遺跡内への入場は不可)。

アユタヤ遺跡が同じ世界遺産のスコータイのそれと違うのは、あまりにも痛々しい戦渦の爪痕を現在に残していることにある。18世紀、ビルマ軍の総攻撃により徹底的に破壊され略奪されたアユタヤは痛々しい姿を現在にさらす。実際、そのすさまじい破壊ぶりは目の当たりにすると言葉を失うほど。当時の栄華を偲ばせるものは何もない。完膚無きまでに破壊された寺院や、頭部を破壊された仏像が悲しげに周囲を郡列する。このあたりは特にモノクロ写真映えする格好の被写体であり見逃せない。



(撮影地:アユタヤ遺跡公園/ワット・プラ・シー・サンペット)
FinePix S3 Pro 17-55mm F2.8  PLフィルター ISO400 F5.6 1/125sec
CCD-RAW(B/W変換 トーンカーブ調整)



■トーンカーブ(コントラスト)の調整

デジタルカメラでモノクロ写真を撮る方法は難易度順に・・・

(1)カメラをモノクロモードに設定して撮る
(2)カラーで撮った画像をパソコンでグレースケール変換
(3)RAWモードで撮影後、専用ソフトでトーンカーブなど調整
(4)カラー画像をレタッチソフトで細かく調整しながらモノクロ化
  (方法としては「チャンネルミキサー」「色相・彩度」の調整などが一般的)

といった方法がある。
気軽に楽しむには(1)(2)の方法がよいが、前述のようにモノクロ写真は階調表現がもっとも重要視されるため、より自分のイメージに近い作品に仕上げるには(3)(4)の方法が望ましい。

今回は比較的はじめやすい(3)の方法を中心に、イメージに合わせてトーンカーブを調整してモノクロ(B/W)変換した。ちなみにトーンカーブは画像のコントラストを調整する機能のこと。これはフィルムの現像工程で言えばペーパーの「号数」を選択する工程に似ている。
トーンカーブの調整は慣れれば便利だが、最初はわかりにくい。ここではすべてを紹介できないが、基本的には曲線をS字にして、コントラストを強めにかける方がしまって見える。トーンカーブ調整について詳しくは市販の解説書を参照されたい。(4)の方法については特集後編で。



【トーンカーブ(コントラスト)調整例】*Hyper-Utility Software HS-V2使用


→拡大表示
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スタンダード


高コントラストに調整

(撮影地:アユタヤ遺跡公園/ワット・プラ・マハタート)
FinePix S3 Pro 17-55mm F2.8 PLフィルター
ISO400 F2.8 1/30sec  -0.5EV CCD-RAW (B/W変換 トーンカーブ調整)


−−さてモノクロ写真の魅力が少しは伝わっただろうか?
ここまで紹介したのはあくまで基本テクニック。特集後編ではレタッチソフトを活用して、表現の幅を広げるテクニックにも挑戦してみよう。



(撮影地:アユタヤ遺跡公園/ワット・ヤイ・チャン・モンコン)
FinePix S3 Pro 17-55mm F2.8 PLフィルター
ISO200 F3.3 1/45sec CCD-RAW (B/W変換 トーンカーブ調整)




タイ豆知識(4):タイと野良犬

タイ各地には寺院だろうが町中だろうが、そこら中で野良犬を目にする。暗い夜道で普通に寝ていることもあり、うっかりすると踏んでしまいそうになる。
犬嫌いには少々酷かもしれないが、特別何かしない限り彼らが襲いかかってくる心配はない。しかし、狂犬病の心配が全くないわけでもなく、タイでは年間50〜100人ほどが狂犬病で命を落としていると聞く。予防接種も行われているが、念のためむやみに刺激しないほうがよい。
ちなみに中部〜南部の犬は暑いせいか毛が薄く、肌がシワシワ。少し寒い北部の犬は毛がフサフサしている。





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S3Pro
撮影に使用したカメラ:FinePix S3Pro

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